ナポレオン-共和制(res public)の崩壊-
2013年02月17日 14:13
2月16日の備忘録。
午前中に、アマゾンで注文していた長谷川哲也『ナポレオン―覇道進撃―」が宅配便で到着。さっそく、読み始める。
ナポレオン暗殺計画を利用して、ナポレオンがついにフランス共和国の皇帝に就任する。まさに、神聖ローマ帝国がその名前にキリスト教と、それに反するローマ帝国の矛盾を胚胎しているのと同様に、皇帝の治める共和国が樹立したことになる(「セザルのものはセザルに、神のものは神に」)。
この巻のエピソードの中心は、池田理代子『エロイカ』と同様、戴冠式にローマ教皇を招きながら、ナポレオンが自らローマ教皇によって戴冠されるシーンではなく、与える強い国父としてのイメージを出すようにダービットに注文を付けるところである。悩んだ、ダービットが描いたのが上記のジョゼフィーヌに戴冠するナポレオンの姿である。周知のように、この絵にはナポレオンの母親のルクレッティアは欠席していたのに、戴冠式に出席していることになっている。すなわち、権力者を描いた絵画は鵜呑みにはできないということである。このナポレオンによって、先週話題になった自由都市ベネッチィアは共和制を終えることになるのであるが、それはまた別の話(1797年のカンポ・フォルミオ条約→むしろ、『ナポレオン―覇道進撃―』では②および③参照)。
相変わらず、体調が良くならないのは困りものである。