後期授業開始

2013年10月02日 11:09

 10月2日の備忘録。

    久しぶりに、D201の大教室で「日本国憲法/現代人権論」の講義を行う。受講生は、だいたい目分量で110名程度であるように思われる。

 レジュメを事前に用意していたが、80部では足りなかったので、気の利く学生に頼んで教務まで行って不足分をコピーしてもらう。ま~、このような学生がいてくれないと、病気持ちにとっては結構しんどいことになる。

 お昼は大学の近くの宝島で、ビビンバランチを食べて済ます。昼食をとって、部屋でこのプログを書き込んでいるところであるが、くしゃみが止まらないことからすると風邪を引いてしまった疑いが濃い。午後12時半以降、いろいろな電話連絡が入り、それをこなしているとすぐに第3時限目の授業開始時刻になってしまった。その流れで、これまで合間を縫って出席していた会議に出られなかった。

 

  午後2時40分から、ゼミを開始する。参加者は、前期に引き続き公開講座として受講しているKさんとKさんと、わたしの三人である。今日の講義内容は、なぜ、ヒンデンブルグが大統領就任を渋ったのかということと、制度的保障≒制度体保障の意味と問題点であった。本当ならば、もう一節分先に進むことが出来たのであるが、後期の最初のゼミでもあり、残りの時間は雑談に当てた。よりによって、Kさんは月曜のわたしの講義にも参加したいそうである。

  とにかく、先月末から疲れが取れない。午後5時半には、自宅に戻ってベッドで横になって過ごす。

  夕食は、帰りに駅南で買ってきた三の丸ホテルの中華弁当を食べて済ます。

  午後7時から午後8時まで、実家に電話連絡。話によると、父親が10月25日に東京に遊びに来るとのこと。ただし、パック旅行で来るそうなので、わたしと会うことはないらしい。そこで、雑談ではあるが父親に、任期が切れる9年後に現在役員を勤めている大学にスカウトしてもらえるか、ということを聴いてみる。親父の返事は、「お前の講義は難しそうで、うちの大学のレベルに合わないからだめ」とのことであった。しかし、一定年齢以上の人物は、実際にわたしの講義を聴いたこともないのに、難しいと勝手に想像するのはいかがなものか。参考までに、先日のリアクションペーパーでの学生のわたしの講義の感想は以下のものである。

 「日本国憲法の講義ということで、何となくかたいイメージを持っていたのですが、そんなことは全然なく、楽しく受けることができました。

 私は、高校で世界史ではなく日本史選択だったので、分からない部分も多かったけれど、タラちゃんの話とか、進撃の巨人とか、鋼の錬金術師とか、分かりやすい例も挙げてくれたので、理解することができたように思います。明日以降の講義も楽しみです」(Aさん)。

 「日本国憲法と聞いて堅苦しいイメージを持って授業に挑みましたが、映画やアニメ、ライトノベルを例につかったり、小ネタが多くあったりして退屈しませんでした。はじめに、難しいと聞かされて尻込みしてしまいましたが、実際、授業がはじまると非常に分かりやすく、突っ込んだ考えなども聞くことができておもしろく学ぶことができました。憲法だけではなく時代背景なども説明があり、理解しやすかったです。また、自分がどれだけ憲法についての理解が足りていなかったかが分かり反省しました」(Yさん)

 「日本国憲法と聞いて最初は難しそう、理解できるのかなという不安しかありませんでした。しかし、話し言葉で書かれたレジュメ、先生のお話のおかげで楽しく受けることができました……。」(Sさん)

 「講義を受ける前は憲法を一条ずつ確認して、一条ずつ意味を考えていくという内容を想像していたので、実際に授業を受けてみて、いろんなことが知れて面白かった。憲法をそのまま読み解くのではなく、現代の憲法が保障する権利が主張されるようになった歴史的背景や、実際の判例を用いた判例と決定、目的と手段の説明はとても興味深かった。特に目的と手段の話はとても面白かった。雑談もいろいろな情報を知ることができ良かった。

 だが、集中講義のため話が早く進むので気を抜くと聞き逃してしまう。なのでしっかりと後で復習しないといけないなと思った。また、参考資料として映画が多くあげられていたので、補完として見てみたいと思う。先生は映画や漫画が好きだと推察しました。

 とにかく、今日の講義で憲法や権利、哲学に興味を持てました。」(Yくん)

 「日本国憲法ということでどれだけ難しい話なのだろうと身構えていたが、分かりやすい解説と先生の陽気な(?はつらつとした(?おもしろい(?口調でとても聞きやすかった。

 憲法を学んでいくのに世界史の知識が足りないと痛感した。同時に、先生の膨大な知識量に感激した。どうしたらそんなに覚えていられるのか…。ぜひとも勉強法も教えていただきたい。(単語を覚えても単語と単語がつながらないことが高校時代からの悩み…)

 法学、世界史、言語(翻訳の善し悪し)等、一つの学問を学ぶにはそれに関連するより多くの知識が必要だとわかった。

 差別と区別はちがう。このセリフは先生たちの都合のイイしかり文句かと思っていたが、理にかなっていてなんだかくやしい。」(Iさん)

 「今日の授業とても興味ぶかかったです。憲法の授業ってもっと「日本国憲法の○条はどういう意味で…」ということをくりかえしていくのかと思っていました。歴史の出来事とからめたり、写真を多くつかったりしておもしろく授業をうけることができました。

 しかし、世界史にまつわる話がおおくて、日本史選択だった私にはわからない単語や話も多くあり、ああ、全部わかっていたらもっと授業がおもしろくなったんだろうなとちょっとくやしく思いました。

 今日の話の中で特に興味をもったのは日本国憲法の三大原則(国民主権、基本的人権の尊重、平和主義)の序列についての話です。今までそんなこと考えたこともなかったし、三つは平等だし、特に順番なんて関係ないんじゃないかと思っていました。

 しかし、今日授業で取りあげたことにより、考えてみると奥がふかくおもしろかったです。私はホッブズの考えの平和主義があってこその主権や基本的人権という考え方が一番しっくりきた考えのような気がしました。

 今まで憲法なんてつまんないと思っていましたが、それが定められた背景にはいろいろな歴史があって学んでいくとおもしろいんだろうなと思いました。裁判の話とかおもしろそうだなと思ったりするので、少し取りあげていただけると嬉しいです。」(Aさん)

 「9月4日の大法廷決定についてニュースで何となく聞いた覚えはあるものの、法学にうとい私にはさっぱりだった。法廷というもの、そして今回の決定について知ることができただけでも、今日の講義に参加して良かったと思った。

 正直に言うと、私は法律学(高校時代で言うと政治・経済分野)に苦手意識を感じていた。他の学問は大抵楽しめるのだが、法律だけは私の頭の中のネットワークから独立していたのだ。しかし、今日の講義を聞いて歴史や哲学と結び付けられ糸口のようなものを発見し、非常に新鮮な感覚で学びたいと思うようになった。

 私は音楽科の学生であり、ピアノを専門に学んでいる。先日、ベートーヴェンについて調べている時に、イマニュエル・カントの名が出てきた。綿とが注目したのは自然科学の部分であり、「カントーラプラスの星雲説」について追求してみたいと思ったが、まさか“人権”というものを考える上でのキーパーソンだったなんて…!と驚いている(政治についての知識が少なくて恥ずかしいが)。

 足取り重くこの教室に入ってきた私だったが、この4日間で新しい世界の切り口を開けるような気がしている。」(Oさん)

 

  午後10時半ぐらいに知らないうちに眠ってしまい、午前4時ぐらいに目が覚めたので午前5時半まで本を読んだりして時間を過ごす。

  午前5時半に、再度眠る。