東方正教会のクリスマスイブ
1月6日の備忘録。
休みも今日で御仕舞い。明日から、通常通りに午後2コマの講義が入っている。とりあえず、佐藤賢一『小説 フランス革命』Ⅸ巻を読んでしまおうと考え、このHPのブログの書き込み以外、起きている時間帯は読み残しの部分の読書に当てる。この本の初版は、2012年12月20日なのでつい最近出版されたばかりである。誤算だったのは、集英社が第一部Ⅰ~Ⅵ巻を2分冊に分けて文庫本として発売したということである。ま~、塩野七生女史の『ローマ人の物語』も文庫化されたので仕方がないかと思うが、これを都内のサラリーマンが通勤電車の中で読むとは少し考えられない。通常、わたしの同級生、あるいは教え子でサラリーマンになった連中は池波正太郎や山本周五郎の時代小説を通勤電車で読むことが多いようである。夕方、年賀状の第三陣がマンションに届く。わたしが本務大学に赴任したときの、所属学科の先生方で今は退職された先生方のものであった。この当時の先生方は、わたしが学んだ先生方と同じ世代に属するのであるで社会的儀礼の観点が同じように思われる。
塩野七生女史のこの文庫本は、一昨年の退院直後、ベッドで寝たままで読むのには最高でした。
ちなみに、今日は東方諸派キリスト教のクリスマスイブに当たる。その理由としては、これらの諸派はグレゴリオ暦を採用していないこともあるが、実際はクリスマスの月日の確定には変遷があったということも指摘しておかなければならない。ささやかな、クリスマスイブの晩餐としてワインを少しだけ飲ましていただいた。
先日も書いたように、いろいろな本と平行して『小説 フランス革命』を読むとなかなか読了することができない。予定通りに、4冊はこのお正月に読むことができたのでこれでよしということにしよう。樋口陽一先生が説く「中間団体否定」説の問題は、フランス人権宣言と、それを否定するロベスピエールの新フランス人権宣言制定の主張の部分が参考になるような気がした。とりあえずは、Ⅹ巻は今年の3月発売だそうなので、3月を楽しみにしている。
フランス革命のその後は、わたしとしてはなんと言ってもアンジェイ・ワイダ監督の『ダントン』である。学部生時代に、岩波ホールで最初に観た映画であり、フランス革命の高邁な理念と残酷な現実の葛藤を旨く描き出していた(最後に、エレオノール・ディプレが人権宣言を弟に暗誦させるところがこの歴史の皮肉を印象的にしている)。
la vertu, sans laquelle la terreur est funeste ; la terreur, sans laquelle la vertu est impuissante