法学概論

2013年12月16日 13:47

12月16日の備忘録。

 午後4時20分から午後5時50分まで、「法学概論」の講義を行う。

 講義の内容は、リアクションペーパーの掲載によって代えることとする。

・今日の授業で初等・中等教育がどれほど生徒・児童たちに影響を与えるのかというのをしみじみと感じ、その責任の重さを痛感した。子供たちの是非判断が未熟であるため少しでも自分がかたよった考えや思想を持ってしまうとそれが子供たちに影響を与えてしまうこともあるので、なるべく中立であるようにたとえ、内心では異なる考えを持っていても振るまうようにすべきなのだということがわかった。(Tさん)

・今日の講義のテーマは、やや取り扱いに難儀しやすい問題ではあると考える。

 日章旗でさえ隣りの国がやたらと騒ぎ立てているのもこれまた事実であり、ある種今後の外交問題として騒ぎ立てられてもおかしくはないと思う。自分としては、その国旗・国歌の成立過程がどうであれ、憲法やその下部に置かれている法律に定められている以上は教員はそれに従う必要があると考える。(もちろんその内心で反国旗・国歌主義であることは自由だと考えるが)。それが国の教育に携わる者としてある意味当然の責務であると思っている。(Tくん)

・今回の講義では、思想・良心の自由に関するものであったが、改めて思想・良心の自由がどこまで容認されるのかの判断が難しいものであるということを感じた。

 最近でも大阪府の教師が国歌斉唱の際に起立せずに問題になったというニュースを聞いたことがあった。またこれはあくまでもネット上のとある掲示板の話ではあるが、国歌を「君が代」から「千本桜」に変えようとするようなものなど、戦前からむ変わってないこともあり、日章旗や「君が代」には多くの批判がある。

 これからもこのような公務員による国歌・国旗に対する批判はどこまで容認されるのか非常に難しいと思った。(Aくん)

・今回は、思想・良心の自由について教育という面から知り、考えることができました。国家斉唱に関する訴訟(事件18)については本で読んだことがありましたが、よく理解できていませんでした。だから、今回憲法や公務員の規定など客観的な根拠をもとに理解することができてとても良かったです。(個人的には、(国家斉唱とは関係なく)日本のネガティブな歴史を知ることは必要だと思います。)

 他の国で、国家をめぐる訴訟はあったのですか?(Iさん)

・今回の講義では、国旗掲揚・国家斉唱に対する思想・良心の自由が違憲であるか否かについて学んだ。今回の“君が代伴奏命令事件”では学校側が教師Xの主張を受け入れ、他の教師むまたはテープを事前に用意しておくなどの対策を講じておけば教師Xの主張も保護され裁判も発生しなかったのではないか。また、君が代斉唱に関して、個々人の思想に委ねておけば問題ないのではないか。

 そういった面では、橋下市長による教職員への国家斉唱・国旗掲揚の義務化は別の問題を生み出すのではないか。この義務化に対しても、思想・良心の自由が公共の福祉に敗れるというのであれば、公共の福祉はとても大きな力を持っていると思う。(Tくん)

・今回の講義では、教員が公務員であることについて考えさせられる点がいくつかあった。

 憲法でいくら思想・良心の自由が示されたとしても、公の職務をする「全体の奉仕者」である公務員になったからには、ある程度は国の方針に従った行動をしなくてはいけないというのは、仕方ないのかなと思う半面、自由がないと思った。たぶんないと思うが、「国が戦争やろう!」「戦争最高!」という方針になったら、私もそれを子ども達に教えなくてはならないのだろうか……。(Sさん)

・今回の授業で、音楽の先生が「君が代」を演奏しない人がいると聞いて驚いた。あまりにも自分勝手すぎると思った。私がその人の立場でも、演奏すると思う。ピアノはひけないが。

 また、伝習館高校事件で、毛沢東語録をやったというのにも驚いた。進学校であるのに、生徒たちは、さぞ迷惑だっただろう。

 また、公務員が、政治的に中立でなければならないのは本当ですか?高校のある先生が、授業中で、自民党を批判し、民主党を支持すると言っていたのですが……。(Tさん)

・今回の講義では「君が代」は思想の押しつけかということでしたが、私自身はそう思いませんでした。思想・良心の自由、内心の自由から言えばどう思うかは自由ですが、私は君が代をなくしたら、他にないと思うので、そのままで良いと思いました。「千本桜」などの話もあるようですが、正直そっちの方がよく分かりませんでした。今回の判決や伝習館高校事件から見ても、生徒に特定の思想を押しつける形になってしまうのは、良くないと思いました。(Mさん)

・踏み絵について、日本にキリスト教を布教させたのはカトリックであるから、偶像というかキリスト、マリアの像を用いての布教がかかせなかった。だから、踏み絵を強要させられた日本人が像を信仰しており、踏めないのは当然のことだと思う。

 ずっと疑問に思っていたことなのだが、日本の国旗は日の丸なのに、海上自衛隊は今でも旭日旗をつけて活動を行っている。それがどうしてなのか分からない。何となく軍国主義を感じてしまうのだが……。(Sさん)