現代人権論

2013年04月15日 14:24

 4月15日の備忘録。 

 久しぶりに、アレハンドロ・ホドロフスキー監督の「エル・ポト」を鑑賞する。

 この映画は二部構成になっていて、第一部で放浪のガンマンであるエル・トポが東洋哲学者、超能力者、自然主義者、砂漠の聖者などの人格高潔な四人のガンマンを極めて卑劣な手段で倒すが女性たちに裏切られて力尽きるまでが描かれ、第二部がフリークスの地下都市で生き仏のように祭られていたエル・トポが目覚め、近くの町に続くトンネルを掘り彼らの恩に報おうとするが、開通したトンネルをくぐってきた彼らを近くの町の住人が銃で虐殺したために、エル・トポが怒りに燃えて町を滅ぼして焼身自殺するところまでである。途中、第一部で女性に唆されて捨てた息子が修道士に育てられて成長し、フリークスのためにトンネルを掘るエル・トポに会うが、彼が息子にトンネルが開通するまで復讐をまってくれという、菊池寛の『恩讐の彼方に』のような話も入り、東洋思想的なストーリー展開である。死後、この息子がエル・トポの子供を産んだフリークスの女性と、その赤ん坊を馬に乗せてこの町を去っていくところでエンドロールが入る。ちなみに、スペイン語でエル・トポはモグラのことである。

 

 そもそも、フリークスの隣の町は背徳の町であった。

 わたしが学生時代、この映画は「ホーリー・マウンテン」や「サンタ・サングレ」とともに早稲田セイゲイ・シアターActで上映されていた。したがって、今回で5回目ぐらいの鑑賞ということになる。