第9地区
2月7日の備忘録。
午前9時過ぎに、日本比較法研究所から住所および印税の払い込み先の問い合わせの電話がかかってくる。前者は献本を宅急便で送ったのであるが住所不在で戻ってきたための住所確認であり、後者は東京時代の銀行口座のままだったので、それを継続してもよいのかという確認であった。しかし、わたしの住んでいる地方都市の宅急便は、前にも書いたと思うが少したるんでいるのではないか。郵便物は遅滞なく届いているのに、宅急便は着払いでないと連絡もないし、おまけに返送してまうのは問題である。
今日は1日自宅マンションにて、風邪気味なので休養する。しかしながら、メールをチェックすると学内からの案件のメールが大量に来ており、それらのうち、自宅で処理できるものは文書を作成し、本務大学に添付ファイルで返信した。明日は、在外研究の日であるがシラバス等の作成の仕事も残っており、大学にいくつもりで自宅にいたのであるがこれではのんびりできない。
午後9時過ぎから、下記のニール・プロムカンプ監督「第9地区」のDVDを観賞。映画自体は楽しめたが、南アフリカのヨハネスブルグが舞台で、エイリアンの差別問題とその強制収容、そこに軍事産業の思惑が絡むというのでは、アパルトヘイト、レソト地区、人種・エイズ差別……のありきたりの内容のようで知的好奇心は満たされなかった。虫型エイリアンが故郷の星に帰えろうとするストーリーは、すでに岩明均『七夕の国』や花輪和一『月ノ光』等を読んだわたしに新鮮味は感じられない。この映画の独自性は、最初と最後のシーンがドキュメント・タッチで撮られているところか。
(追記)
岩明均氏の作品の話が出たので、付言しておくとわたしは氏の『寄生獣』、『ヘウレーカ』および『ヒストリエ』の3作品は好きである。ただし、氏の作画タッチがそのように見えさせないが、氏の作品はスプラッターな残酷シーンが多い。例えば、『ヘウレーカ』のアルキメデスの開発した投石器、またアルキメデスの発明を応用した主人公ダミッポスの開発したソーラーレイ兵器がローマ兵を次々に殺傷するシーンはかなりグロテスクだとおもう。