開設1周年
12月2日の備忘録。
このブログも開設して1年が経過した。
参考までに、第1日目の備忘録を再UPすることにする。
はじめまして
昨日、『新・スタンダード憲法』の執筆担当の原稿を苧野さんに添付ファイルでメール送信したので、今日は久しぶりに休日らしい週末を送ることにした。この原稿は、およそ3週間前に書き上げていたのであるが、字数制限を3割増しで書いてしまったために苧野さんからダイエットすることを求められ、それに応じて2000字近く内容を削ったものである。それでも、厳密に言えば字数は何百字はオーバーしているのであり、あとは編集委員の先生の指示を待つしかないであろう。
本当は、削った部分の説明が個人的には関心があるので、それを生かしてもらえれば有り難いのだが、贅沢を言ってはいられない。なんせ、この本が『スタンダード憲法』から『新・スタンダード憲法』に変わった時、やはり頁数オーバーで、執筆者を替わってもらうという前科がわたしにはあるからである。とはいえ、憲法と条約の関係についてはケルゼンの法段階説を使った方が読者には伝わりやすいと思うし、抵抗権についてはオーリウの請願権→生存権→抵抗権の請求の強度の差異を使った方が読者には伝わりやすいのではないか、と今でも思っている。ま~、このブログを読んだうえで、『新・スタンダード憲法』の改訂版をお買いになった訪問者は、本当はわたしがそこまで一応書いていたと理解してもらえればさいわいである。
しかし、年月が過ぎるのははやいものである。苧野さんとの出会いは、わたしが2005年度の文科省内地留学で慶應義塾大学にお世話になったとき以来である。その当時、苧野さんは小山ゼミのゼミ員、つまり学部の学生であった。特に、小山ゼミの箱根合宿で小山氏、上代氏および苧野さんとわたしの割り当てられた部屋で午前4時ぐらいまで語り明かしたのは懐かしい思い出である。そのあと、苧野さんは大学院に進学し、吉田社長の尚学社に就職するとは思いもしなかった。そんなわけで、苧野さんは学生時代の印象が強いので苧野くんと呼びそうになってしまう。それと、三田の二郎に最初に食べに行ったのは苧野さんが誘ったからであるし、帰任パーティーにも上代氏と共に苧野さんは横浜の店を用意し、わたしの本務大学での教え子と一緒にお祝いをしてくれたことが、つい最近のように思われる。
実は、この内地留学中に本務大学のホームページが大幅に改定され、他の部分はよいとしても『国法学講義ノート』の部分が削られたのが痛かった。と言うわけで、今回のWEBNODEで「独逸国法学研究教室」を、やっと今日になって作製しているというわけである。なかなか本題に入らない、わたしの癖がここでも出ているわけであるが、訪問者のみなさん、本HPならびにブログをどうか長い目で見てやってください。大学教員のわたしがよく見ているのは、林知更氏、南野森氏、木村草太氏および大日方信治氏のHPであるので、とりあえずはそれに準じたHPになれればなと密かに思っている。
しかし、今日は午後1時からこのHP作製にかかりっきりだな~。
(追記)わたしの父親は今治出身なので、第3回ゆるきゃらコンテストでバリーさんが優勝したのはなにか分からないが嬉しいことである。
2012.12.02.23:22
午後4時20分から午後5時50分まで、「法学概論」の講義を行う。
取り扱ったテーマは、『基本的人権の事件簿』の第24事件である。
講義の具体的内容は、リアクションペーパの掲載によって代えることとする。
・今日の講義で個人的に思ったことは、司法府は思っていたより難しい仕事をしているのだなと思った。国民が関わっていない機関であるがゆえ(最高裁判所裁判官の国民審査はあるが)、過剰に憲法に手出しすることができないが、手出し可能な範囲で最も常識的かつ論理的で、被告・原告双方の意見を踏まえた判決を出さなければならないという難しさがある。その点では、この裁判の判決はなかなかいい落とし所だなぁと思った。(Tくん)
・今日の講義では、まず、一番に大切な権利は自由権(自然権)であるということが分かりました。高校までの学習で「国家からの自由」から「国家による自由」を目指そうというような動きがあったので、勝手に社会権の方が重要なのかと思い込んでいました。また、憲法93条に国民ではなく、「住民」と書かれていることもはじめて知りました。(Mさん)
・今回はなんかスッキリした終わり方でした。
裁判所の判断「国会で認められればOK!」は確かに他人まかせ的なかんじもするけど、1番スッキリしている判断だと思うし、先生が言うように賢い判断であると思いました。命令と禁止の間の許容範囲であるグレーゾーンを白黒はっつきりさせるのは国会!納得です。(Tさん)
・第1条の「国民主権の原則」を考えると、日本国籍を有することがいかに重要であるか、ということを感じた。定住外国人の選挙権を争うくらいなら、帰化して日本国籍を得た方が話は早いのではないか、と思った。
裁判所の「外国人に地方参政権を与えることは憲法上可能」という判断は、第93条の「住民」を地方自治体の区域内に住所を有する日本国民を意味するという解釈が根拠であり、「国民」と見なすか「住民」と見なすかで判断に差が出る可能性があることに、この判例の難しさを感じた。(Mくん)
・今回の講義では、「定住外国人への参政権付与」について学んだ。日本国憲法では、国民主権が認められており、「日本国民」ではない開国人に対して参政権を付与することは憲法に反するといった解釈は、これまで外国人にも参政権を付与しても構わないのではないかといった自分の意見と違うものだったが、納得できた。
今回の講義を踏まえて、外国人への参政権付与を主張している革新系の政党の意見も見てみたいと思った。(Tくん)
・今回は参政権について学ぶことができました。参政権は「年齢」という基準だけで単純に有無が決まると思っていました。でも、それは浅はかな考えだったと思います。「参政権」について考えるには様々なこと知り多方面から見ていかなければならないのだなと思いました。特に、在日外国人の問題はとても興味があるので、法学を勉強しながら同時に深く考えていきたいです。(在日外国人と○○系アメリカ人などとの違いは、たしかに不思議だなと思いました)(Iさん)
・国籍の話をしているときに、芸人のねこひろしを思い出した。彼は、他の国のオリンピック選手になるために、他の国の国籍をとったが、私は、これはどうなんだろうと思った。他の国のオリンピック選手になるためだけに、国籍が簡単にとれてしまうことは、おかしいんじゃないか、と思った。
また、昔の事例で、アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれた女の子が無国籍になってしまったというのは、とてもかわいそうだと思った。
今の国籍の事情について気になったので、調べてみたいと思った。(Tさん)