集中講義第一日目
9月17日の備忘録。
昨年度は冬期に開講した「日本国憲法/現代人権論」の集中講義を、今年度は夏期に開講することになった。今日は、その集中講義の初日である。
昨年度と違うのは、①3日間の集中講義を4日間にし、1日の講義負担を軽減したこと、②出席点呼に代えて、毎日、リアクション・ペーパーを受講者に書いて提出してもらうことにした点であろう。
とにかく、レジュメを作りすぎたために、その配布だけで第1講目の40分を使ってしまった。話の枕として、最高裁判所大法廷の今月初めの非嫡出子相続分違憲決定について説明した。反対に、社会科学論文の作成法については説明しなかった。
お昼時間は、大学周辺の宝島でカルビランチを食べて済ます。おそらく、4日間お世話になると思う。
午後1時半から午後5時50分まで、適度に休憩を入れながら第2・第3・第4講義をこなした。
しかし、冷房を入れないで講義をしたために、一部学生から声が聴こえないとのクレームがあった。大学で講義を担当して、四半世紀が経つが、声が聴こえないとのクレームははじめてである。
今日の集中講義の内容については、以下のリアクション・ペーパーを書き込むことによって代えたいと思う。以下、音楽科の学生さんと理学部の学生さんのリアクションペーパーの内容です。
(リアクションペーパー1)
9月4日の大法廷決定について…、ニュースで何となく聞いた覚えはあるものの、法学という私にはさっぱりだった。法廷というもの、そして今回の決定について知ることができただけでも、今日の講義に参加してよかったと思う。
正直に言うと、私は法律学(高校時代で言うと政治・経済分野)に苦手意識を感じていた。他の学問は大抵楽しめるのだが、法律だけは私の頭の中のネットワークから独立していたのだ。しかし、今日の講義を聞いて歴史や哲学と結び付けられる糸口のようなものを発見し、非常に新鮮な感覚で学びたいと思うようになった。
私は音楽科の学生であり、ピアノを専門に学んでいる。先日、ベートーヴェンについて調べている時に、イマニュエル・カントの名が出てきた。私が注目したのは自然科学の部分であり、「カント・ラプラスの星雲説」について追求してみたいと思っていたが、まさか“人権”というものを考える上でのキーパーソンだったなんて…!と驚いている(政治についての知識が少なくて恥ずかしいが…)。
足取り重くこの教室に入った私だったが、この4日間で新しい世界の切り口を開けるような気がしている。
(リアクションペーパー2)
ギリシアの思想について、憲法、法律とというものは、ピュシスとノモスどちらに当てはまるのか、考えていました。法は人が作り、必ずしも守れるものではないので、ノモスだと思います。罪を犯した人が罰せられるのはピュシスなのでは、と思ったのですが、これは私の主観的な意見で実際はノモスであるのだと考えました。先生が講義の中でピュシス、ノモスが区別されていないとおっしゃていた事から、マスコミの影響が私の中で大きかったのだと思います。倫理観もあると考えますが。これから社会に出て働いていく上で、常に考えることをやめず、人間らしくありたいと思います。
授業の中に出てたきた“平和が成り立っていなければ主権の主張は意味がない”というというのにはなるほど、と感心しました。
最後に感想になりますが、憲法というかたいイメージのものを、親しみやすい例をあげて説明されていたのでわかりやすかったです。
シスプリがでてきましたが、あれのお兄さんバージョンのブラザーズコンフリクトというのがありますよ。主人公(女の子)にある日突然13人の兄弟ができるという話です。今アニメが放送されていますので、よかったらどうぞ(笑)。
いずれにせよ、夕食を食べて帰宅したら午後7時半を超えていた。しかも、リアクション・ペーパーを読んでいたら125名も履修者がいるので2時間近くかかってしまった。