2014年03月14日 10:43
3月14日の備忘録。
小保方晴子さん、STAP細胞論文の撤回に同意
小保方さんら撤回に同意 STAP論文、米共著者は反対
「STAP(スタップ)細胞」の論文に多数の疑問が指摘されている問題で、主要著者4人のうち理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダーを含む3人が、論文の撤回に同意していることがわかった。複数の理研幹部が朝日新聞の取材に認めた。「生物学の常識を覆す」として世界中を驚かせた研究成果は、白紙に戻る公算が大きくなった。
著者側から論文を撤回するには、最低でも主要著者全員の同意が必要。小保方さんの留学時代の指導教官だった米ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授は反対しており、現在、CDB幹部が同意するよう説得しているという。
STAP細胞論文は2本で構成され、著者は計14人。うち10人がCDBの関係者で、全員、撤回に同意の意向だという。主要著者4人のうち同意しているのは、小保方さんと、CDBの笹井芳樹・副センター長、前CDBチームリーダーの若山照彦・山梨大教授。
論文が掲載された英科学誌ネイチャーでは、撤回にはすべての著者の同意が原則だが、主要著者全員の同意で撤回を申し入れることもできる。こうした申し入れで撤回を認めるかどうかは、個別に判断するとしている。また、著者側が論文を撤回しなくても、ネイチャー編集部が自身の判断で撤回することもある。
複数の理研幹部によると、撤回の理由は、STAP細胞の存在や万能性の証明が科学的に不十分になってきたと判断したためという。マウスの血液細胞からSTAP細胞ができたとする証拠への疑問や、万能性を示す写真が小保方さんの博士論文から流用された疑いなどが指摘されていた。
(朝日新聞社提供)
https://www.huffingtonpost.jp/2014/03/13/haruko-obokata-stap_n_4960223.html?utm_hp_ref=japan
小保方問題について一言。小保方女史を擁護する人たちが見受けられるが、彼女の論文は「作法」に則っていないだけに救いようがない。たとえ、論文がコピー&ペーストが多い稚拙なものであっても、引用の典拠を明らかにしていればまだ庇いようがあったのでは。しかし、それを明らかにしていない彼女は学者としての仁義を欠いている(すなわち、典拠を示せば剽窃にだけはならなかったハズ。いまのままでは、偽装だけではなく剽窃という二つの罪を犯していてることになる)。彼女のこともそうであるが、彼女を指導してきた早稲田大学の今後の対処が問われることとなろう。ここであえてマスコミを取り上げなかったのは、持ち上げておいてすぐに突き落とすという、マスゴミはそもそも論じる価値もないと思っているからである。データー改竄と、コピペの問題を同一に論じる言説が多いので、ここでは両者を分けて論じた。
(追記)この問題で、伊藤智義作/森田信吾『栄光なき天才たち 4巻」(ヤングジャンプ・コミック、1989年)の北里柴三郎、山極勝三郎および野口英世の話を読み直してみた。その感想では、小保方女史は野口英世タイプの人物である。青山博士ではないが、「いずれ 野口(小保方)自身が 自分で気づく!」「わしは…あの男(女)を 少し あわれに思えるよ」(123頁)。
(更に追記)しつこいが、法律学者がどのように考えているのか、他のブログを覗いてみた。林氏の日記に以下の記述が見受けられた。
3月12日(水)
心身とも疲弊し切って、元に戻らない。完全な病人モードで、息も絶え絶え。
それにしても小保方事件、背後にある闇の深さが垣間見えて、感慨なしとしない。盗用・剽窃・改竄を繰り返しながら、誰からも咎められずにここまでキャリアを歩むことができてしまった背後に、当人の人格のみにとどまらない、研究機関や学界などの抱える構造的な問題の存在が推測される。特異な一事例なのか氷山の一角なのかは知らないけれど(これまでのところ組織の自浄作用が働いているようには少しも見えないところが、更なる信用の低下を招いているように感じる)、果たしてきちんと膿を出すことができるのか、素人ながら今後の成り行きが気になる(それにしても、メディア映えのする、「世の中に希望を与える」類の研究が、組織の自己保存欲や資金獲得欲と結びついて、学問的な誠実さを犠牲にする形で売り出され持ち上げられるという事態は、別に理系でなくとも文系でも十分起こりうることで、我々にとっても無関心ではいられない、と思う)。
夜、渋谷毅(p)峰厚介(ts)デュオを聴きに、初めて東中野のセロニアスという店へ。『エッセンシャル・エリントン』第2集に収められているこの二人の「Looking Glass」が大好きで、しかしライブでこのデュオを聴ける機会は割と稀なため、疲れた体を引きずって。エリントン・ナンバーやスタンダードを中心に。
しかし、この部分だけを切り取っても林氏の真意は掴めない。そこで、その数日前の記述と併せて読み取らなければならないだろう。
3月10日(月)
珍しく、普段出席するつもりのない隣接部局の研究会へ。真面目に勉強している若い研究者たちが、順調にすくすく育っていくところを見るのは、心愉しいものだ、と思う。こちらも頑張らねば。
人の耳目を集めうるネタであれば、まだ真実性が検証されていない研究でも派手にスポットライトを当てて大騒ぎし、どうやらガセらしいとなるとまた「騙された、騙された」と大騒ぎして世間の注目を喚起し、と、マスメディアにしてみればこうした空騒ぎも所詮「一粒で二度美味しい」という話にすぎないのだろうが(従って、もっともらしい顔で反省したふりをしながら、同じことは今後何度でも繰り返されるのだろうが)、こういう昨今の馬鹿馬鹿しい世相のために一番傷ついているのは、それぞれの世界でたとえ目立たなくてもコツコツ地道に真面目に勉強している研究者たちだ、と思う。
https://www3.plala.or.jp/verfassungslehre/tagebuch.html
10時35分、駅前のすき家でまぜのっけ朝食 300円を食べる。
14時47分、駅前のすき屋で牛カレー並 550円を食べる。
今日のドイツ語単語
laden 積む lud geladen
lassen させる ließ gelaassen
laufen 走る lief gelaufen
leiden 苦しむ litt gelitten
leihen 貸す lieh geleihen
この中で着目したいのはlassenである。昨夜、「医龍4」を観ていたのだが、相変わらず野口がentlassenを多用していた。言うまでもなく、entlassenはlassenに接尾語のentがくっ付いた語であり、任務や場から解放すること、つまり退院、解雇を意味する。
朝日新聞デジタル | 執筆者: 朝日新聞社 投稿日: 2014年03月14日 08時13分 JST | 更新: 2014年03月14日 08時13分 JST