7月31日
7月31日の備忘録。
本当は、まだ7月なので法学演習の講義をしたかったのであるが、参加者が老齢者なので今週から10月までお休みということになった。それでも、本務大学には顔を出してみた。というよりも、共通教育事務のHさんから午前中に9月の集中講義の問い合わせが携帯にかかってきたので、雨で鬱陶しいけれど大学まで行ってみたわけである。
面白いから、林氏の日記をネタに。
7月28日(日)
突然、石川健治先生から、「林君に教えてほしいことがあるんですが。『痛車』ってどういう意味なんですか?」、と言われる(←石川氏のかわいらしさか)。
痛車↓ わたしは運転免許は持っているが、車自体に関心がないので違法改造カーでなければ車体にアニメ・キャラクターを書こうが、なにしようが勝手であると思っている。
そもそも、痛バス、痛電車および痛飛行機は既に存在している。デコ・トラも相当昔からある。
7月26日(金)
夏のドイツ行きの前に論文の目鼻をつけたいのに、それどころか、どの資料を向こうに持っていけばいいかすらめどが立たず、途方に暮れる。
途方に暮れたときは、とりあえずここへ。入谷・なってるハウスで、渋谷毅(p)平田王子(g,vo)デュオ。そんなことをしている場合か、という叱声が聞こえてきそうだが、所詮おいらは遊び人…と思ったら、会場で、北大時代の同僚で現在はW大学で教鞭を執る憲法のS先生とバッタリ。思わぬところに共犯者が。それにしても、仕事関係の知人とライブ会場で会うのは初めてで、驚いた。
SASADA先生のことですね。S先生とはもう10年前に、とある研究会の合宿で温泉をご一緒させてもらって以来ご無沙汰です。
7月21日(日)
選挙の一日。一方が勝ち他方が負ける、という憲法の定めたシステムが予定する出来事が起きただけであり、今度もまた負けた側が負けるべくして負けたのだと思うので、さほどの驚きはない。ただ、それでも個人的に多少の感慨は覚える。①今後の日本の政治システムがどのようなあり方を目指すべきか、これほど展望が見失われた状態は、この20年ほどで初めてなのでは。これは、かなり怖いことだ、と思う。今後、有権者の多くが、ついに消去法でも選ぶ先がなくなる事態は、そう遠くないようにも思える。②一方で現状に対する閉塞感が支配し、他方で今後の展望やビジョンが描けない中、これが一部で排外主義やマイノリティ排除、あまりに内容的に浅薄な改憲提案など、非合理な形で吹き出しているのだとしたら、これまた大変に困ったことだ、と思う。③こうした中でメディアが、政治に良識を取り戻そうとするよりも、目立つ、ないし「キャラの立つ」発言をする人物を、大小様々の「メディアの寵児」に仕立て上げる(最も顕著なのは橋下徹現象だろう。もっとも、簡単に祭り上げられた人は転落するのも簡単だが)ことにいそしんでいるのは、本当に罪が重い、と感じる。彼らは死後間違いなく地獄に堕ちるであろう。④憲法に関して言えば、ドイツのように連邦議会と連邦参議院の3分の2だけで憲法改正ができてしまう仕組みと違って、最後に国民投票が控えている日本の手続を、これほど心強く感じたことはない。学者は、国民の中の良識に向けて、踏まえるべき考え方の筋道を地道に説き続けるしかあるまい。⑤それにしても、昨今の選挙は、選挙の度に当選者の顔ぶれががらりと変わる傾向が強く、「人を育てる」ことができない選挙になっているのでは、と感じる。民主党政権が失敗したにしても、このプロセスを経験した比較的若くて優秀な人が、失敗の経験を将来のために役立てることができなくなってしまうと、あの混迷の数年間が全くの無駄で終わってしまう気がする。
ご高説ありがとうございます。このことについてのわたしの見解も、後日、暇を見つけて書き込むことにしたい。←完全な「先送り」人生。