懐かし映画鑑賞
3月2日の備忘録。
相変わらず体調が回復しない。自宅マンションで以下のDVDを観て過ごす。
①一瀬隆重監督「帝都大戦」
実相時昭雄監督の「帝都物語」より、わたしは一瀬監督の「帝都大戦」の方が好きである。荒俣宏氏によれば、日本政府は戦争末期に英米首脳の呪殺を日本全国の神社・仏閣に一斉に行わせたそうでうあるが、元寇の攻めてきた時とは違い神風は吹かなかった。ま~、この映画では丹波先生の演じる観阿弥光鳳(大谷光瑞)が呪詛によってチャーチルやルーズベルトを呪殺すると近衛文麿等を偽り、ヒトラーを呪詛して自殺させ、日本の戦争終結をはやめようと画策するのであるが、このようなオカルトにたよるようでは日本もお仕舞いであろう。このような計画達成のため、魔人加藤保徳と闘う中村雄昴や辰宮雪子は可哀想であるとしか言いようがない。←怨み人形でわたしの名前が書かれていてもわたしは死なないであろうが、やはりそんな奴がいると思うと精神的なショックは受けるが(見かけによらず、わたしはナイーブなので)。
技術的に言うと、中国人スタッフを多用してワイヤーアクションを多用しているが、チャン・イーモー監督の「グリーンディスティニー」等に比べれば映像美が観られない。もちろん、20年の技術的進歩があるが、それを差し引いても子供だましの映像のように思える。
②実相時昭雄監督「帝都物語」
実相時監督の撮った作品はこの映画をはじめとして、ウルトラマン世代のわたしたちも勅使河原宏監督の作品並に難解で素直に楽しめない。しかし、今回見直してみて渋沢栄一、森鴎外、寺田寅彦、大河内正敏、幸田露伴、平井保昌、泉鏡花、黒田茂丸、早川徳次、西村真琴等の基礎知識があると、なかなか面白い作品であるということが理解できた。ただし、関東大震災復興で寺田寅彦の地下都市計画と陸軍の高層都市計画だけではなく、帝都を大陸に遷都する案もあったことは省略されていた。ここらあたりは、猪瀬直樹『土地の神話』と対比してみると面白いのかな~、と思うところである。帝都の整備は、渋沢栄一翁の子供の渋沢敬三に引き継がれ小林一三、五島慶太、堤康二郎の田園都市計画によって今日に引き継がれる。配役としては、西村晃が父親の西村真琴博士の役をやっているのは評価できる。
③川尻善昭監督「魔界都市新宿」
わたしの学生時代、川尻監督は菊池秀行の原作の劇場版アニメをよく作製していた。よく出てくるのが、十六夜京也やもぐりの医師のメフィスト等で代わり映えしないのであるが、わたしのように単純な頭ではこの程度の勧善懲悪ものの方が観ていてスッキリする。当時、このマンガ版も『少年チャンピオン』で連載していたが、そちらの方がどろどろして、見世物小屋のようできもかったように記憶している。
(追記)
正確には、『魔界都市ハンター』であったのだね。昔は、コンビニで週に50冊程度の雑誌を立ち読みしていたことを思い出した。流石に、就職してからは本務大学の傍のマンションに引っ越したので、学生の目を気にして立ち読みはしなくなったのであるが。