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センター試験二日目

2013年01月20日 22:38

 1月20日の備忘録。

 午前7時前に起床し、身支度を整えてからタクシーで本務大学に向かう。今度は、予備室監督者の点呼よりも1時間早く大学に到着した。

 ハッキリ言って、主任監督者と副主任監督者あるいは裏方の入試実施委員は大変な精神的・肉体的プレッシャーを受ける仕事であるが―かつてはわたしも務めたことがあるが―、病気で予備室監督者にまわったので、体調不良の別室受験者が出なければ控室で待機という楽をさせてもらった。

 とは言え、その間に内職をするわけにもいかず、楽しみは休憩時間の雑談であった。前に書いたように、わたしは法学部に勤務しているわけではない。したがって、研究領域での話が他の先生方と必ずしも合うわけでもなく、また価値観も異なることが多いが、とにかく先輩の先生がよく言うように専門店ではなく、雑貨店のような学部なので他の分野の話を聴けることは役得である。小野先生と尾崎先生の細菌、菌糸類等の微生物の話はなかなか興味深い話であった。要約すると、尾崎先生の質問は細菌などはいかなる目的で生存・発展するのかというもので、これに対して小野先生の回答は上記のような原始生命体にはそのような目的は端的にはないというものである。まさに、わたしが学生時代に流行った「自己的な遺伝子」の話などを引き合いにして、それこそ寄生木や、いやそれ自体のセルから核が飛び出して発展を続けるというのである(自己の同一性の否定か)。

  これは下記のブログでも取り上げた、寄生木寄生型で自らを変形させるとするならば「エイリアン」の話に繋がるし、寄生木を取り込んでいって自らを変形させるならば「遊星からの物体X」や『寄生獣』の話に接続してくる。厚かましく、わたしが先生方の話に割って入ったのであるが、それでは動植物の性質によってあるモノの概念を分類してきたアリストテレス以来の種の分類はどうなるのか、またその発展上にあるリンネの分類はどうなってしまうのかを質問した。そもそも尾崎先生は種の起源、あるいは種の進化の目的に興味を抱いておられるようであった。そうこうしているうちに、自然科学と哲学の話は重要だが、現在のカリキュラムでは授業で話せないなどということで休憩時間が終了した。尾崎先生の寅さん理論は、アリストテレスの説明に使えそうなので利用させていただきます。

 お弁当は、四季亭のお弁当であった。

 無事に、午後4時半過ぎにセンター試験の最終科目「数学②」が終わり、その確認も済んだのでわれわれは、主任監督者と入試実施委員を残して解散し帰宅した。

 まずは、瀧澤入試実施委員長をはじめとする先生方をはじめご苦労様でした。聴くところによると、同じ国立大学法人でも二日、全教職員がセンター試験をしているとは限らないそうなので、その意味では地方大学の教員は恵まれていないと言えよう。それだけに、センター試験は大学の教職員の一体感を増すひとつの役割を果たしているといえるのかもしれない。

センター入試第一日目

2013年01月19日 22:31

 1月19日の備忘録。

 今日は、センター入試の第一日目であった。

 朝、時間通りに起床したが、大学に向かうタクシーを拾えず、点呼に15分程度遅刻してしまう。もちろん、事前に事務に若干遅れる旨を携帯電話から連絡した。しかし入院後、久しぶりのセンター入試の監督であり、かつ大学前から駅南に引っ越したことを計算に入れていなかったのは完全にわたしのミスであった。もっとも、学部の配慮から予備室担当の試験官であったので事無きをえたが、明日は1時間前にマンションから大学に向かわなければならないであろう。

 どうにかこうにか、第一日目のセンター試験は本務大学では問題が発生することなく終了した。油断は禁物であるが、初日の英語のリスニング試験を無事に切り抜けられたのは大きい。毎年、センター試験実施協力校で問題が発生するのはこのリスニング試験であるからである。

 昼食は飯村屋の幕の内弁当であった。

 午後7時過ぎ、オフにしていた携帯電話の着信履歴およびメールを確認すると土屋くんから研究会の発表日の予定についての問い合わせのメールが入っていたので返信をしてから、タクシーにてマンションに帰宅。このHPの備忘録を書き込もうとすると、容量が越えたのでWEBNODEに入金しなくてはならないということなった。入金先は以下のようである。

 

 

振込み金額:

9,496

銀行口座番号:

273-106888.01Q

IBAN:

CH96 0027 3273 1068 8801 Q

SWIFT / BIC:

UBSWCHZH80A

参照番号:

521277

支払い期日:

2013年02月02日

 とりあえず、このHPは使い勝手がよいので契約更新するつもりである。

 その後、この書き込みをして寝る予定である。

(追記)

 帰宅すると、石山文彦先生と井口文男先生からのお年賀の礼状が届いていた。井口先生は、サンティ・ロマーノ研究のわが国での第一人者で、昨年の公法学会総会における石川報告について初日に質問をしたのであるが、二日目の質疑応答には参加されなかった。本当のところは、わたし自身の質問より井口氏の質問に対する石川氏の解答を詳細に聴きたいところであったが、非常に残念である。わたしのイェリネックの地位論研究は、井口論文を引用しなかったものの非常に参考にさせてもらった。今後とも両先生、宜しくご指導・ご厚誼の程お願い申し上げます。

明日はセンター試験

2013年01月18日 22:24

 1月18日の備忘録。

 この日は、いわゆる在宅研究日に当てているので1日中自宅で部屋の整理・整頓をしたり、このブログの書き込みをしたりして過ごす。

 明日から2日間は、センター試験なので休日出勤。場合によっては、このブログも2日間お休みすることになるかもしれない。

 お昼ごろ、近くの街の本屋さんといった感じの書店でコミックを2冊購入した。

 その他は、このHPでいえばニュースで「箴言(2)」と「フランス革命史観についての一考察」をUPするのに時間をかける。

 「箴言(2)」は「プリンセスチュチュ 卵の章 」のOPの岸田今日子女史のナレーションを掲載したのであるが、インターネットで全部公開されているもの見当たらなく、OPのみKat.1~13まで見直して作成した―自分で言うのはなんだが―力作である。そもそも、「昔むかし……」ではなく、「むかし、……」で岸田さんのナレーションが入るのを無視しているファンサイトが多すぎる。さらにどれも、西欧の童話とバレーの古典をモチーフにしているので、その元ネタを知らなければ「プリンセスチュチュ」の楽しみが半減してしまう。しかし、この作品はキッズチャンネルで放送されたためか、物語としては秀逸なのに知らないひとが多い。まず、卒論でグリム童話をテーマにしたい学生は必見の作品である。

  その後に、シャルル・ペロー・澁澤龍彦訳『長靴をはいた猫』を読んで、堅田先生や耳野先生の論文で本格的な研究に入っていくことをお薦めします。実際に、いまでは考えられないが10年前にはわたしのゼミにも矢木さんという女子学生がおり、そのような順番でグリム兄弟の研究を進めて、卒論を提出して本務大学を巣立っていった(というよりもそもそも私のゼミは、今の硬派なゼミではなく鈴木さん、小松さん、矢木さん、佐藤さんと女子学生だけから構成されていた)。

 しかし、10年ひと昔とはよく言ったものである。2012年度はアニメではこの「プリンセスチュチュ」の10周年記念であるし、ゲームではDSの「逆転裁判」の10周年記念が祝われたそうである。後者については、現実にできた「裁判員制度」が当初、予想されたものとは異なったこともあり、講義で三谷幸喜監督「12人のやさしい日本人」とともに使用したのだがまったく意味はなかった(もっとも、「逆転裁判」は霊媒師や幽霊が出てくるところでアウトなのであるが)。このころは、学生と年齢が10歳程度しか違わなかったので学生と一緒に楽しめることができた。少ない楽しみとしては、今年「逆転裁判」の新作が発売されるようなので、はやくそれをプレーしたいと思っている(なんやかんや言って、「逆転裁判1・2・3・4」も「逆転検事1・2」もすべてプレイして攻略している)。一番攻略が難しかったのは、「逆転裁判4」のハミガキ記者の癖を見抜くことであった。

 

 「フランス革命史観についての一考察」は、『憲法の規範力』に投稿した論文が掲載不可になった場合の保険としてニュースにUPした。こちらは、昨年の法政大学で開催された日本公法学会での石川健治会員に対する質問に対する、学者・中野雅紀としての応答のひとつと理解してもらいたい。あまり、ブログでは名前を出さないことにしているが、これは礼儀なので例外的に匿名は止めた。

(追記)

 年賀状のお礼状も、寒中見舞いになってきた。山内進一橋大学学長をはじめ、お葉書に厚く御礼申し上げます。

 

 

 

センター試験前の最後の講義

2013年01月17日 20:33

 1月17日の備忘録。

 前日に引き続き、午前中は部屋の整理・整頓。ハッキリ言って、病気が完治していないので少々疲れてきた。

 午後に本務大学に向かい、センター試験前の最後の講義をする。

 午後4時20分から、ゼミ形式の授業開始。今日の報告者は、中国からの留学生の沈くんであった。風邪で寝ていたそうで、レジュメの作成しておらず約15分遅れてから授業開始。その前に、この講義の出席メンバーとお疲れ会についての打ち合わせをする。学生の側はフランス料理でも、居酒屋でもどちらでも同じといったような感じなので、それでは不二家のペコちゃんランチで済ますぞと脅しておいた。反対に、食育という観点からも、テーブル・マナーという観点からも是非、フランス料理屋でお疲れ会をしなければならないと思った次第である。

 

  ちなみに、ペコちゃんランチは上掲のメニューに書いているように小学校6年生までしか食べれません。昔、東北大学のN氏と新宿の不二家でペコちゃんランチを注文  

 したら、大学生は食べられないとウェイトレスのお姉さんに言われてしまった。

    aurore de la vie 

   pas a pas

  お疲れ会の幹事は塚原くんを任命した。

 最悪、幹事が上記のフランス料理店を予約できなかった場合、わたしの都合で駅南の甲羅屋で会食する予定。ただし、永山さんが蟹アレルギーなので少し心配している。

   帰宅後、ポストを見てみるとお年賀のお礼状が10通程度届いていた。辻村みよ子先生からのお礼状では、来年度から明治大学に移籍されると添え書きされていた。ある意味では、年賀状とはこのような情報交換のためにも役に立つものである。

(追記)

 昨年の仕事納めの記事で、イタリア料理のぺスケが大学前からなくなったことを書き込んだが、どうやら南町で営業を続けているようである。

 https://www.hotpepper.jp/strJ000821020/

 

  ぺスケ・Pとなっているが、ぺスケ・ペシェが本当のお店の名前。イタリア語で「ピンクの魚」という意味らしい。

  マスターも元気そうでなにより。

 

大島渚氏死去

2013年01月17日 10:14

 1月17日の備忘録。 

 原則的に、この日記兼備忘録は1日遅れで記事を書き込んでいる。したがって、ニュース等は数日遅れになることをご了承願いたい。

 この日も前日に続き、大掃除というか書籍・資料の整理に1日を費やす。なかなか、整理がつかないのは書籍よりも、廃棄してよい資料と、廃棄してはならない資料の分別に時間がかかるからである。大学教員という仕事をしていると、入試関連の資料の他に、学生の答案を含めた成績資料を一定期間保管する義務があるので、本当は捨ててしまいたい資料も結局、箱詰めしてそのままにしていることが多い。それと、その分別の途中に、それらを読んでしまい、またまた時間がかかってしまうということである。反対に、無くなってしまったという資料が突然、変なところから出てきたり、といったように部屋全体がビックリ箱のような状態である。

 おととい、報道されたように映画監督の大島渚氏が今週死去した。わたしはヌーベル・バーグの作品は嫌いで、氏の作品はほとんど観ていない。しかし、法律を勉強しているので猥褻表現と、その検閲との関係で氏の「愛のコリーダ」事件は当然のことながら知らないわけではない。

 ここで面白いのは、判例で学んだ事件に出てくる作品は昔は時間があったからか、一応読んでいるということである。澁澤龍彦訳のサド侯爵『悪徳の栄え』、三島由起夫『宴のあと』、伊藤整訳のローレンス『チャタレー夫人の恋人』、ノンフィクション『逆転』などは読んでいるし、映像作品も入手できるものは観賞している。また、大学時代の友達に総務省の官僚や、税関関連の役人がいるので、いわゆる検閲で引っかかった作品も読んだり、観たりする機会にも恵まれた。とはいえ、余ほどの好き者でないとこれを何冊も、あるいは何本も連続して読んだり、観賞したりするのは正直言って飽きてしまう。「美人は三日見ると飽きるが、ブスは見飽きない」というのは嘘だと思うが、前者の部分は当たっているのではなかろうか。生物学的には正しいかどうかは別にして、人間もよい子孫を残したいので、本来的には同じカップルで第一子、第二子……と子供を作りたくないそうである。それに歯止めをかけているのが、宗教上、倫理上のモラルであると言われている。

 それは措いておいて、大島氏といえば「朝まで生テレビ」で野坂昭如氏とともにキレるおじさんであったことが有名だし、一般にはテレビの報道で繰り返して放送されているように大島・小山の結婚30周年記念で祝辞を忘れた野坂昭如氏と殴り合いの喧嘩になったことで知られているのではないか。それと、わたしは学者であるので関心があって覚えているのであるが、大島氏は京大法学部を卒業した時に、猪木先生に助手に残してもらうように頼んだが、猪木先生に断られて映画監督の道に進んだということである。このパターンは、前原誠司氏が高坂先生に助手に残してもらうように頼んだが、高坂先生に断られて政治家の道に進んだのと同じコースである。ちなみに、猪木正道先生は昨年末に98歳で天寿を全うしたんだね。その意味では、あまり学者の逝去はマスコミで報道されないように思える(とはいえ、団藤重光先生と星野英一先生の逝去は大きかった)。いずれにせよ、氏のご冥福をお祈りします。

 夕方に、アマゾンで注文しておいた亀本洋『格差原理』とトイプナー『結果志向の法思考』が届く。これで、またこの本をどこに置くのかという問題が発生するが、研究者を続けている限り、ペダルをこぎ続けていないと倒れてしまうのでこれも宿命と言えよう。

 (追記)

  左下の二本目の奥歯が完全に欠けてしまった。病気でカルシューム不足となり奥歯ががたがたになっていたが、ついに最初の犠牲者が出てしまった。

 

大掃除

2013年01月16日 13:03

 1月15日の備忘録。

 午前11時半頃、タクシーにて本務大学に向かう。ついてすぐ、生協の散髪屋でいつものようにおばちゃんに髭の手入れと洗髪をしてもらう。

 午後2時40分から1時間半、第4時限の講義をはじめる。レジュメのネタが尽きたので平等原則について話をして、学生に来週は質問コーナー、再来週は定期試験であると告知する。課題については、以下の2つを提示しておいた。

 課題3

  スタンリー・キューブリック監督「博士の異常な愛情」を素材にして、平和主義に関してゲーム理論、とくに「囚人のジレンマ」ないし「チキン・ゲーム」の理論が有効に機能するか否かを論じなさい。

 課題4

  功利主義によって人権を基礎付ける場合、「人間の尊厳」の原理とって不都合なことはないのか、具体的事例を挙げてその可否を論じなさい。

 明らかに、課題3を試験当日に出題すれば冬休みの課題レポートと内容が重なるのでサービス問題となる。しかし、果たしてわたしがこの問題を当日の試験で出題するかどうかは未定である。

 今週末にセンター試験が入るので、授業開始・終了のチャイムがおかしかった。

 午後4時20分から1時間半、第5時限の講義をはじめる。前回の講義で、学説の紹介でプログラム規定説から具体的権利説の説明の途中でチャイムが鳴り、抽象的権利説の説明が不十分であったのでその続きを朝日訴訟、食糧管理法違反事件、堀木訴訟などの具体的判例を開設しながら解説した。個人的には、抽象的権利説の説明には私人間効力論の間接適用説における「公序良俗」規定の価値充填との類似性を指摘するのが有効であると思っているので、今回もそれに即して説明した。テキストの『基本的人権の事件簿』に掲載されている秋田生活保護費給付訴訟は地裁判決ながら、筋がいい理論を展開しているので解説しやすかった。こちらも、課題について以下の2つを提示しておいた。

 課題3

     平等原則の「合理性の基準」の目的テストと手段テストとの関連で、仮に動物愛護という目的から現在における新生類憐みの令ともいえる法律が国会で成立し、その罰則規定において人間以外に動物に加害行為を加えた場合、死刑を含める重罰が科せられると規定されていたとするならば、この法律は合憲か違憲かを論理的に論じなさい。

 課題4

     平和的生存権が認められるとして、その場合、この権利は消極的権利として認められるべきか、それとも積極的権利として認められるべきか、両者のメリット・デメリットを衡量した上で論じなさい。

 タクシーにて帰宅。午後8時から午後10時半までかけてベット周りを大掃除。業者に清掃を頼むとしても、最低限の礼儀として少しはきれいにしておかなければならない。センター試験までの3日間は大掃除という予定である。それにしても、書籍とコピーの分量が半端ではないので大学の研究室と実家に分置するために箱詰めして宅急便で送らなくてはならない。50,000冊ということはないが、それでも30,000冊ぐらいはいまのマンションにあり、その半分が箱詰めのままである。この機会を逃すと、ゴールデン・ウィークまで整理する暇がない。とにかく、この備忘録を書き込んでいる時点でも疲れるだけで、整理が遅々として進んでいないのが現状である。

 それと、年賀状もかなりの枚数になってきたので、ファイリングしなければならないだろう。

(追記1)

 年賀状については、清水睦先生、江橋崇先生、大隈義和先生、石川健治先生等、旧住所に年賀状を送付したようでマンションに戻ってきてしまいました。失礼をお詫びいたします。

(追記2)

 生類憐みの令については、わたしが本務大学に赴任した年に出版された山室恭子『黄門さまと犬公方』(文春新書、1998年)が詳しい。

 ちなみに、現在においても生類憐れみの令ではないが、動物の愛護及び管理に関する法律が存在しその目的が第1条に規定されており、その違反の罰則が第44条以下に規定されている。

 目的:この法律は、動物の虐待の防止、動物の適正な取扱いその他動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害を防止することを目的とする←至極まっとうな目的

 手続:1.愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。2.愛護動物に対し、みだりに給餌又は給水をやめることにより衰弱させる等の虐待を行つた者は、五十万円以下の罰金に処する。3.愛護動物を遺棄した者は、五十万円以下の罰金に処する←上の目的を達成する手段としてはバランスがとれている。

 


 

憲法の規範力

2013年01月15日 22:48

 1月14日の備忘録。

 ここのところ、午前7時頃まで睡眠できず、午前6時半ぐらいに朝食をとって薬を飲んで寝ることが多くなっている。前日のブログにも書き込んだように、本務大学に赴任してから1~2年間入眠障害に悩まされていたのであるが、ここ10年程はそれも克服したと思っていたら、3年前の入院生活でまたもや入眠障害がぶり返してしまった。入院した経験のある訪問者には分かると思うが、病院は定期的に看護士さんが見回りに来るわ、検温・血圧測定・採血が行われるわ、朝から部屋の清掃・消毒で業者が入ってくるわといったことでおちおち寝ていられない。意外かもしれないが、わたしは結構神経質なので外泊すると眠れないことが多い。いわゆる幼稚園のお昼寝の時間は、寝たふりをして過ごすという子供であった。しかも、隣の部屋に入院していたお婆さんは若干、痴呆が入っていたので夜騒ぎ出すために、それで目を覚ますことも多かった(看護士さん曰く、「ここ数年来、最大のお騒がせ婆ちゃん」とのこと。ちなみに、その翌年再入院した時の話によれば、このおばあちゃんは退院の前日に部屋に備え付けのテレビを投げつけたそうである)。更に、退院してから東北大震災に被災し、その余震が半年ほど続いたために入眠障害が再発したと思われる。したがって、この日も上記のように午前7時頃に仮眠をとり、午前10時半までうつらうつ転寝しただけであった。

 午後12時半に昼食をとって、3連休の最後の日でもあったので午後1時から休みなしで午後8時半まで今年度、最後の執筆の仕事である『憲法の規範力』に掲載予定の論文のダイエット版を作成する。とにかく、編集委員長から54000字は書きすぎであるから、削れと言われたので40000字ほどにダイエットした。午後9時頃、編集委員長に原稿を添付ファイルにしてメールで送信した。とりあえずは、編集委員長の判断待ちであるが、内容的にはかなり満足の行ったものに仕上がってていると思っている。

 午後9時半頃、遅い夕食をとって本を読んだり、YOUTUBEで画像を見たりして午前3時半頃まで過ごしてから就寝する。

 日本文化チャンネル桜(右翼系テレビ)の1月3日放送分の上念司氏と倉山満氏の新年対談を観ていると、唐突に倉山氏が「かしら、かしらご存知かしら」等と言いはじめるので悪い予感はしたが、こいつらはわたしの大学の後輩であることが判明した。倉山氏の村上孝太郎を取り上げた回(憲法86条についての大蔵省と内閣法制局の駆け引き)はなかなか面白かったが、いい意味でもわるい意味でも母校の「げんしけん」的傾向をこいつらも引いているのか、と思ってしまった。なんせ、「エイトマン」、「幻魔大戦」の平井和正氏、「長崎犯科帳」、「破れ奉行」の池田一郎(隆慶一郎)先生、「子連れ狼」や劇画村塾の小池一雄氏等を生み出した大学であるから、「少女革命ウテナ」が会話に出てきてもおかしくない。オタクを否定しながら、「ヱヴァンゲリオン」のみならず「マギカ」を話題にしてはまずいでしょう。ちなみに、わたしの院生時代の同期で毛色が変わったのに上野俊哉氏がいる。彼も結構、サブカルチャー評論をしている。同期で実定法を専攻したものは民間に就職した1名を除いては、結構、お堅い内容を研究内容として専任教員になっているのだが、そうでない連中は?といった研究をしているものも多い。一応、倉山氏の師匠は鳥海靖先生であったとのこと。

 「かしら、かしらご存知かしらの」の影絵のシーン。

 一応、リニューアル版でないDVDは持っている。

 幾原邦彦氏のHP: www.jrt.co.jp./yos/ikuniweb/

https://www.starchild.co.jp/special/utena/

絶対運命黙示録(少女革命ウテナ・挿入歌)

絶対運命黙示録 絶対運命黙示録 出生登録・洗礼名簿・死亡登録 絶対運命黙示録 絶対運命黙示録 わたしの誕生・絶対誕生・黙示録 闇の砂漠に 燦場・宇葉 金のメッキの桃源郷 昼と夜とが逆回り 時のメッキの失楽園 ソドムの闇 光の闇 彼方の闇 果てなき闇 絶対運命黙示録 絶対運命黙示闇・黙示録もくし くしも しもく くもし もしく しくも ◆Repeat

  本当の舞台は筑波大学なのだが、大学名は椎応大学でということになっている(慶應とも取れる)。じゃあ、「もしドラ」の野球部が練習試合をした大学は母校の野球部ということになるのか?ということは、対戦相手のピッチャーはジャイアンツの沢村君になってしまうが、150km/hの速球を打てたのか、いろいろな疑問が残る。これについては、大日方氏のプログでの高橋秀実『弱くても勝てます』の書評が参考になる(https://www1.bbiq.jp/obinata/)。

  雪で東京は大変であったようであるが、マンションの近くはそんなに大雪ではなく、その日のうちに雪は解けてしまっていた。

 

祖母の命日

2013年01月14日 00:13

 1月13日の備忘録。

 この日は、母方の祖母の命日であった。わたしは1998年後期から本務大学に奉職しているが、この年の12月に父親が脳梗塞で倒れ、翌年の1月に祖母が亡くなった。したがって、はじめての専任教員に就職したことにはちがいないが、あまりよい思い出がない。そもそも、つくば市以北は友人の結婚式や研究会で札幌と仙台に3回程度しか行ったことがなく、本務大学にも最終の面接試験で行ったのがはじめてである。先任者の先生が急死したために、本務大学が必要に迫られ公募したことを先輩の先生から教えられ、半ば半強制的に公募書類を提出したら採用されてしまったという次第である。応募者はかなりいたそうなので、それなりの達成感があったが、同時に関西の某大学法学部専任教員の内定も決まっていたので、そちらのお断りにもいろいろ苦労した。とにかく、授業数が半端ではなかった。半期で12以上の講義・演習をこなし、都内での非常勤も続けていたから、日曜以外は働きづめであった。そんな折、父親が倒れ、祖母が入院して亡くなったために、はじめて依頼原稿の期日を守ることができなかった。この当時、わたしは携帯電話を持っていなかったため、その申し開きもできず都内からは相当な批判も受けた。インターネットは、iモードが普及した2000年以降、学生が使用法を教えてくれたという時代である。

 祖母との思い出は、かつてこの備忘録に書いた椎茸事件などいろいろあった。弟が、つまり大叔父が香川大学法学部の初代商法の教授であったので、わたしの就職を喜んでくれたし、死ぬ前に就職したことを報告できたことが祖母孝行ということになろう。叔父二人が東大・広大の教授であったので、大学の教員になったことよりも、理系だらけの一族で久しぶりに法律学の教員が出たことが嬉しかったようである。今年と同じで、連休になったためにお通夜に戻ったことを思い出す。

 祖母の冥福を祈ります。

 

アンダーグラウンド=アングラ

2013年01月13日 11:08

 1月12日の備忘録。

 昨日はDVDを都合4本観賞し、そしてマンガを3冊読んだうえ、それを確認するために早川書房の世界SF全集などを読み返していたため眼精疲労のために本が読めなかった。

 そこで、林知更氏の日記で「アンダーグラウンド」の話が出てきたので一言コメントを書いてておく。

 「1月11日(金)
 ここのところ、いろいろなことでバタバタした日々を過ごしていたが、ようやく落ち着いて勉強できる状態に戻る。…と、この間に溜めていた仕事の催促が一斉に押し寄せる。
 夜中にDVDでエミール・クストリッツァ監督『アンダーグラウンド』(1995年)。よく知られた作品ながら、今頃になって初めて見る。これは愉快。傑作なり。一言で言えば仮想現実としての戦後ということか。これで遅ればせながらようやく正月を取り戻した気分。明日からまた日常に戻らなければ。」

 この映画はわたしはリアルタイムで都内の映画館で見ている。そのことについては、ニュースにUPしている『国法学講義ノート』第1講で示したところである。一応、抜粋すると以下のように学生に紹介している。

 「さて、ピューリタン革命はイングランド人に内乱の恐怖を骨の髄まで刻み込むことになったわけです。そして実際、外国からの国家侵略戦争こそが最も忌むべきものであると考えてきたホッブズに国家侵略戦争よりも同じ国民同士が殺し合いをする内乱の方がなによりも排除されなければならないという思想の変更をもたらすことになりました。それはみなさんが子供の頃、ユーゴスラビア連邦が崩壊しそれまで同じ村で仲良く暮らしてきたセルビア人とクロアチア人が、あるいはギリシア正教の信者とムスリムが殺し合いをはじめたことを思い出してみれば分かると思います(ユーゴスラビア映画で、第二次世界大戦からこの内乱までの混乱を皮肉に描いたものとして『アンダー・グラウンド』(https://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=28684)という作品があります)。それはそうでしょう、外国人に侵略され蹂躙されているのならその敵は明確ですが、昨日まで仲良く暮らしてきた同じ国民が信じている宗教の宗派が違うからといって殺し合いを続けるのですよ。わたしは日本人単一民族説をとりませんが、もし日本人同士が信じている宗教が違うからといって殺し合いをはじめたとしたらこれほど凄惨な事態はないと思います。おなじモンゴロイド人の顔をした国民が『鉄人28号』の歌詞ではあるまいし、互いに自分を「正義の味方」とし、それに同調しないものを「悪魔の使い」と罵り合い殺しあうことほど悲惨なことはありません(歌詞:三木鶏郎(https://www.tetsujin28.tv/top.html))。」

 そこで言いたいのは、林氏が若いということである。まだまだ、観るべき映画も沢山あり、また東京に住んでいるという地の利がある。一見すると、このような息抜きは研究からの逃避と取られるかもしれないが、それが研究の隠し味になるのである。ということで、林氏のご活躍を願う次第である。あと、パソ子さんのご冥福をお祈りします。

(追記)

 たしか、「アンダー・グラウンド」の併映はバフティヤル・フドイナザーロフ監督「コシュ・バ・コシュ 恋はロープウェイに乗って」でわたしは池袋のシネマ・ロサかシネマ・セレサで観たと記憶している。

  

映画三昧

2013年01月12日 12:25

 1月11日の備忘録。

 午前11時ごろに、宅配業者がアマゾンに注文していた以下のDVDおよびマンガを宅配してくれた。

 とにかく、買っただけでは梱包したままで死蔵させてしまうので以下の順番で見ていくことにした。

①「電人ザボーガー」(2012年)

 これは、おふざけな作品であったが前半部分は特撮物としてよくできていると思った。「電人ザボーガー」は、わたしが小学生の時代にうしおそうじ氏プロデュースでテレビ放送されていた特撮物であった。この当時、午後7時台には民放ではどこのチャンネルを回しても特撮物かアニメが放送されていた。現在は、特撮やアニメは深夜か日曜の朝に放送されているので、ほとんどリアルタイムで観ているものはない(最後に、リアルタイムで観たのは「けいおん!!」だと思う)。うしお氏の作品では、「超人パロムワン」や「スペクトルマン」を観ていた(ただし、スペクトルマンのノーマン編はダニエル・キースの『アルジャーノンに花束を』をいち早く日本に紹介したものであった)。この映画は、最後のテロップでうしおそうじ氏に捧げると書かれていたので、いわゆるオマージュ作品ということになろうか。むかし、伊藤君と実写版「黄金バット」を観たときに、彼は大いなるB級映画と言っていたが、この作品はいまの若い人には元ネタが分からないので面白くないであろう。

 

②「遊星からの物体X―ファーストコンタクト―」(2012年)

 これは、1982年のジョン・カーペンター監督の「遊星からの物体X」のリメイクではなく、そこで舞台となったアメリカ南極基地での惨劇の前に起こった、ノルウェー基地でのエイリアンとの遭遇、その復活そしてさまざまな生物を取り込んではそのコピーを作っていき、隊員を餌食にしていく…、隊員同士がお互いにエイリアンに身体を乗っ取られているのではないかと疑い始め、エイリアンとの死闘だけではなく、互いに殺しあうというアメリカ基地で後に繰り返される惨劇がすでに、その数日前に行われていたことを巧妙に描いている作品(これはゲーム理論の説明にも有効)。なぜ、1982年の作品の冒頭でノルウェー隊員がライフルで執拗にライカ犬を攻撃するのか、どうしてエイリアンと遭遇したのか、前作を丹念に検討して作られただけに一見に値すると思われる。

 この映画の原作が、ジョン・キャンベルJRの1930年代の『影が行く』という小説であるのも驚きだが、このようなクリーチャーものをシリーズ化して成功してるのは「エイリアン」ぐらいしかない。本当は、「エイリアン」は地球に到達し、地球上の全生命体に卵を産みつけているという『エイリアン―地球殲滅―』の脚本が書かれたといわれているが、20世紀フォクスがドッグ・バスターやヒューマン・バスターのようなクリーチャーのうようよ出てくる映画は予算が取れないという理由で中止してしまった。ま~、ヒロインのリプリー役のシガニー・ウィバーも年齢が年齢だけにその続編は期待していないのであるが。

 

  この作品では、主人公がケイトという極地生物学の女性研究者になっているところは「エイリアン」シリーズの影響を受けているのかもしれない。補足すると、先の備忘録の書き込みで諸星大二郎の「生物都市」との類似性を指摘したが、「物体X」のエイリアンは機械とは融合できないので、そこのところが諸星氏の発想がすごいところ。

③「フライトナイト」(1985年)→「フライトナイト」(2011年)

 見よ、われらのグレート・ヴァンパイアーキラー、ピーター・ヴィンセントの雄姿を!

  オチ、ヴァンパイア―「信仰の籠らぬ十字架など効果はないわ」

 ハッキリ言って、このリメイク版は駄作であると思った。1985年度版は、主人公のチャリーよりもピーター・ヴィンセントのロディ・マクドウォールだと思うし、彼がヴィンセント役をやっているからこの作品は面白いのである(平野耕太『ヘルシング』で言えば、神の神罰の代行者・アンデルセン神父に当たる役どころであり、声優で言うならば野沢那智がピッタリである)。実は、マクドウォールは「クレオパトラ」ではオクタビアヌスを演じ、「猿の惑星」シリーズではチンパンジーのコーネリアス博士役を務めた名脇役である。「フライトナイト2」では、ダンドリッジリの姪が復讐にやってくるが、連れてきた怪人が一方が狼男であるのは分かるが、もう一方の正体が分からないのであたふたする場面が面白い。わたしの子供時代ではドラキュラ役がクリストファー・リーで、ヘルシング教授役がピーター・カッシングと固定化されていた(ピーター・カッシングは「スターウォーズ」では初代デススターの提督)。この1985年版のラストのオチは秀逸なのに、それも2011年度版では省略されていてまったく観る価値がない、あるいは時間を浪費したと思い立腹した。

 リメイク版におけるピーター・ヴィンセントは、アンデルセン神父の戦闘能力は受け継いでいるが、性格的にはわたしのイメージにまったく合わない。

  https://www.youtube.com/watch?v=P9hNPG0s9Ig

 

④諸星大二郎「諸星大二郎自作短編集 彼方より』(2004年)

 上述したように、諸星氏の代表作「生物都市」所収の氏の自選短編集。これ以外では、「とおりゃんせ」の歌詞の謎に迫った「天神さま」が好きな作品。確かに、「行きははよいよい、帰りは怖い」の「怖い」の意味は不可解である。このマンガはこれ以上は多くを語らない。読んでください。

⑤安彦良和『天の血脈』①(講談社、2012年)

  安彦さん、『ガンダムORIGIN』の連載を終わったら歴史物ですか。あとがきでは、本人も歴史漫画家のようなことを書いているけれど、それならばグレコ・ローマン時代を題材に書いてもらいたいな。

⑥諸星大二郎『画集 不熟』(河出書房新社、2012年)

  諸星氏のあとがきによれば、「不熟」ということばは存在するらしい。

 カバー表紙裏の高橋葉介氏との対談は読み飛ばす可能性があるので要注意。高橋氏もわたしの好きな漫画家です。

 

 高橋葉介HP:https://blog.livedoor.jp/planet_of_blackness/

 以上、この日は映画とマンガの日でした。

 

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