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宇賀克也先生、最高裁入り

2019年02月22日 11:55

2月22日(金曜日)


 中野雅紀です。驚いたニュースは、宇賀克也先生の最高裁判所入りです。しかし、行政法学者は最高裁判所判事への任命が多いなー。


最高裁判事、女性9年ぶりに1人に 宇賀克也氏を任命へ

岡本玄


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写真・図版宇賀克也氏(東大提供)


 政府は22日の閣議で、東大大学院法学政治学研究科教授の宇賀克也氏(63)を最高裁判事に任命することを決めた。発令は3月20日付の予定。前任で学者出身の岡部喜代子判事(69)の定年退官に伴う人事で、15人いる最高裁裁判官のうち、女性は9年ぶりに1人となる。

 最高裁判事の任命は政府が閣議決定するが、慣例として、最高裁長官の意見を聞く。候補者は、出身が裁判官、弁護士、検察官の場合は最高裁長官が、行政官や学者の場合は内閣官房が選ぶという原則で運用されている。詳しい選考過程は公表されないが、出身分野ごとに人数がほぼ固定され、退官した判事の後任も同じ出身分野から選ばれる傾向がある。

 初の女性判事は、細川内閣時代の1994年に就任した元労働省婦人少年局長の高橋久子氏。続いた横尾和子氏(2001年就任)、桜井龍子氏(08年就任)も官僚出身で、長く0~1人の時期が続いた。鳩山内閣時代の10年に岡部氏が任命され、初めて2人になった。

 安倍内閣になってからは、13年に弁護士出身の鬼丸かおる氏も加わり、女性判事が3人に。桜井氏が退官して減ったものの、18年に弁護士の宮崎裕子氏が就任し、再び3人となった。だが、今年2月に鬼丸氏、3月に岡部氏が相次いで退官し、1人に戻ることになった。

 桜井、岡部、鬼丸の3氏は、最高裁大法廷が15年、民法の夫婦同姓規定について判断した際、連名で「違憲」の反対意見を述べて注目された。他にも2人の男性判事が「違憲」だと判断したが、残り10人は「合憲」の立場を取って多数意見を構成した。(岡本玄)

     ◇

 宇賀 克也氏(うが・かつや)東大卒、ハーバード大ロースクール客員教授などを経て、94年から現職。内閣官房情報保全諮問会議構成員や内閣府公文書管理委員会委員長も務める。63歳。


集中講義三日目

2019年02月21日 11:56

2月21日(木曜日)


 中野雅紀です。


第三時限目(13:00-14:30)

 日本国憲法の三大原理・原則


 日本国憲法の三大原理/「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」/原理は三つに限定されるのか/『あたらしい憲法のはなし』の神話/ドイツでは、①自由の原理(Grundsatz der Freiheit) ② 民主制原理(Grundsatz der Demokratie)③  人権・基本的自由尊重の原理(Grundsatz der Achtung der Menschenrechte und Grundfreiheiten) ④ 法治国家の原理(Grundsatz der Rechtsstaatlichkeit) /日比野勤「基本価値論争をめぐって―現代西ドイツ国法学界管見―」(芦部信喜先生還暦記念『憲法訴訟と人権の理論』(有斐閣、1985年)843頁以下)/美濃部達吉によると①「国民主権主義」②「永久平和主義」③「人権尊重主義」④「国会中心主義」/宮沢俊義によると、「民主主義」を統合原理とする①「個人の尊厳」②「国民主権」③「社会国家」④「平和国家」/清宮四郎によると①「民主主義」②「自由主義」③「平等主義」④「福祉主義」/詳細は、篠田英明『ほんとうの憲法─戦後日本憲法学批判 』 (ちくま新書、2017)/そもそも、書かれていなくても「権力分立」や「罪刑法定主義」も憲法の重大原理では/近代立憲主義の内容の一つとして日本国憲法に盛り込まれた平和主義(9条)についても、独自の解釈を示した。法律には、たとえば「ある通りが駐車禁止になっているかなっていないか」など回答が一義的に決まる準則(ルール)と、「表現の自由」のように一義的に決まらない原理(プリンシプル)の2種類があり、9条は原理だと説く。その上で、9条について「『一兵たりとも許されない』との準則(ルール)ではなく、常備軍を置くとしても、必要最低限にしなくてはならないとの原理だ」/


 「国民主権」とは/「国民主権」からではなく「主権」から理解する/正当性の契機につきるものではなく、国家の最終的な意思決定を行う権力国家の最終的な意思決定を行う権力を行使する権力的契機の二つを含む/「国民主権」とは、国家の最終的な意思決定を行う権力の所在が国民にあるということ/語源から考える/Democracy →demos kratia demos = people+kratia = sway,institution(governing) 民主制(政)、政治制度 ※民主主義は誤訳/外国語の学習の仕方/ theocracy ,monarchy、aristocracy 、 monocracy /われわれの時代の森一郎『試験にでる英単語 -- 実証データで重大箇所ズバリ公開』(青春出版、1975)から鉄緑会編『鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁』(角川学芸出版,2009)に至るまでの定番/最近では、『英単語の語源図鑑』(かんき出版,2018)/わたしは英語科の教員ではないので、はなしはここまで/「直接民主制」と「間接民主制」/どちらが「原則」で、どちらが「例外」か/たとえ話/物理的限界と能力的限界/物理的限界/1億2000万人収容できる施設が存在するか/アテネは成年男子のみを市民にしていたから、アゴラ( Ἀγορά)での討議が可能/インターネット投票/カスケード効果やコンコルド効果を考えると懐疑的/ルイ16世の国王裁判/361対360の1票差/人は勝ち馬に乗りたい/カイジ/関東軍の言い分/「日本の一番長い日」/能力的限界/「君主主権」から「国民主権」への移行/君主は一人だが、国民は多数である/サザエさん/タラちゃん、イクラちゃんには政治的決定権があるのか/タラちゃんは利益誘導の可能性が、イクラちゃんは死票の可能性が/モブは信頼に足るのか/フランス革命の恐怖政治/メアリー・シェリー/山本政喜訳『巨人の復讐 フランケンシュタイン』(新人社, 1948)/そう考えると、わが国の憲法では「間接民主制」が「原則」で、「直接民主制」はそれを補完するための「例外」と考えるべき/例外として考えられるもの/①第79条2項(最高裁判所裁判官の国民審査)最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、その後十年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。②第95条(特別法の住民投票)一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。③第96条1項(憲法改正)この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。/理論的な例外の提案/例えば、国会議員の解職(リコール)請求権(せいきゅうけん)や国民による法律案提出権の導入など/特に、櫻井大臣の以下の発言は大問題である/「衆議院内閣委員会では、立憲民主党が、サイバーセキュリティーを担当する桜田オリンピック・パラリンピック担当相をただした。/ 立憲民主党(会派)・今井雅人議員「自分でパソコンをお使いになってますか?」/ 桜田五輪相「私は、25(歳)の時から独立してやっておりますので。常に、従業員あるいは秘書に指示することでやっておりますので。自分でパソコンを打つということはありません」/ 立憲民主党(会派)・今井議員「パソコンもいじったことがない方が、サイバー空間のセキュリティー対策をするなんて、とてもわたしには信じられない」/桜田五輪相「私の事務所、国、総力を挙げて総合的にやることであって。落ち度はないと自信を持っている」/国会は法律を作る立法機関であることを自覚していない/


「平和主義」/「平和主義」とは/平和主義の説明/その歴史/判例/ゲーム理論/日本国憲法の三大原理に序列はあるのか/マックス・ヴェーバーの「価値相対主義」/「超兵器R1号」と「博士の異常な愛情」/「基本的人権」の尊重の説明は、明日以降に行う/   etc/16時50分から再開



第四時限目 明日のプログラムの予定と、質問コーナー






集中講義2日目

2019年02月20日 11:58

2月20日(水曜日)


 中野雅紀です。昨日に引き続き、集中講義の二日目をこなしてきました。以下に、今日配布したレジュメを貼り付けておきます。


2018年度・冬季集中「日本国憲法/現代人権論」 第二日 プログラム 中野雅紀   


 第一時限目(2/19 10:20-11:50)  

 「起承転結」のしっかりした文章を書こう

 

 前日書いてもらったリアクションペーパーに対する再リアクションを行ってから講義をおこなう/落語でいうところの「枕」/大教室で寒いとの要望があったが、空き教室が見つからないので一期の集中講義はこのまま「共通10号」教室で我慢してもらって、来週の二期から適切なキャパの教室に変更することを確認する/先日のみんなとの取り決め通り、一期と二期の試験を分けずに、二期の最終日に一括して筆記試験をおこなう/期日は3/1の五時限目/


 「起承転結」とは/そもそもは、漢詩の構成・用語に由来/では、論文作成とは無関係ではないか/そうではない/本来の意味から転じて、文章やストーリーを4つに分けたときの構成、または各部の呼称としても使われる←ここでは、こちらの意味/毎回、試験を実施すると/ばかな先輩の話/毎回、試験を実施すると「一」「二」「三」「四」の部分に「起」「承」「転」「結」と書く、あたまのお弱い人がいる/それともわたしを馬鹿にしているのか/そもそも、そのような表記の著作・論文を見たことがあるのか/笑うことなかれ、先月の「法学概論」の試験において君たちの後輩でも1名いた/


 すなわち、ここでわたしが言わんとすることは、論文を書くにあたって最低限、三章構成の論文を書けということである/たとえば、庵野秀明によれば「序」「破」「Q」/「シン・エヴァンゲリオン劇場版:''」2020年公開にネット騒然! 13年越し完結/今日の配布した資料・三田紀房「ドラゴン桜2」の太宰府先生の解説によれば、「序論」「本論」「結論」である/とにかく、章立てをしっかりと/そうすることによって、はじめてメリハリのある文章が書けるようになる/このことは、きみたちも参加した2月10日の卒業論文発表会、つまり卒論の作製にも応用可能である/まだまだ、先だと思っているかもしれないが、二年などはあっという間に過ぎる/きみたちの身近な問題/


 「起」とは/「承」とは/「転」とは/「結」とは/ここで重要なのは、「起」の部分である/「起」の部分で、問題の定義を書く学生がいるが、それはばかである/太宰府先生も説明するように、「起」は「序論」であり、「問題」提起である。すなわち、わたしたち出題者が出題した答案の問題の何を問題にするのかをまず説明する/そして、順番は最後になるが「結」で、その自分が問題にしたことがらに対する「私見」を示す/「ドラゴン桜」の芥山先生によれば、問題を読んで、自らが出題者と対話することが重要である/学部時代、わたしは四年時には刑法ゼミに属していた/ゼミにおいて、下村康正先生は「答案とはラブレターである」と言ったが、この言は芥山の指摘と同じものだろう/単純化すれば、この「起」と「結」がしっかり書けていれば、その答案はそれだけで及第点である/ただ、私見の示すとしても、それなりの理由や論理が必要である/なぜならば、自分の争っている判決が裁判官や裁判員によって「直観」や「フィーリング」によって下されたとすれば、きみたちはそれに納得することができるのか/おそらく、納得はできない/そこで、それを論理的に説得できるような説明としての「承」や「転」の記述が中間に入る/「納得」と「説得」/




 ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル(Georg Wilhelm Friedrich Hegel, 1770年8月27日 - 1831年11月14日)の弁証法/テーゼ/アンチ・テーゼ/ジン・テーゼ/トーマス・サミュエル・クーン(Thomas Samuel Kuhn、1922年7月18日 - 1996年6月17日)のパラダイム・シフト/本当に、人類は右肩上がりに発展していくのか/ガンダムの「ニュータイプ」か/ニコラウス・コペルニクス( NicolausCopernicus、1473年2月19日 - 1543年5月24日)はなぜ、偉大か/わかりきったことを主張しても、それは用語説明でしかない/おそらく、きみたちがものすごいことを発見したと思っても、そんなことは3000年前の異国の哲学者によって議論されているであろう/したがつて、考えることは必要だが、一定程度の知識の詰込みは必要である/ゆとり世代/このように、これまでにどのような考え方があったのか、どのような議論の対決があったのかを踏まえたうえで議論を展開することが必要/そのために、ザックリでいいからテーゼ、アンチ・テーゼの言わんとしていることを理解する/覚えるのが面倒だという人がいるが、どちらかの見解を正確に理解していれば、反対の見解は容易に捻りだすことが可能/なぜならば、人間は「ひねくれ者」だから/一方で、AさんとBさんが言い争っていると、大抵の場合、「Aさんの言っていることも正しいし、Bさんの言っていることも正しい。したがって、お互いの良いところを足して2で割ったところでどうですか」と言うCさんが現れることが多い/このように、議論というものは人間の「ひねくれ者」の性格と、反面、両者を宥めようとする、ある意味ではお節介である、「調停者」の性格を反映している/裁判もまたそれを反映したもの/




 具体的判例を見てみよう/ここでは、議論の分かれる定住外国人の選挙権問題について検討する/ここでの問題は、人権の享有主体の問題である/Article 11. The people shall not be prevented from enjoying any of the fundamental human rights. These fundamental human rights guaranteed to the people by this Constitution shall be conferred upon the people of this and future generations as eternal and inviolate rights./この例文を参考に、「わたしたちは、基本的人権を有している」と和文を英文に翻訳してみよう/とりわけ、問題になるのは、国民主権の原理から国政選挙権は定住外国人に認められないことは当然としても、定住外国人もまた「住民」であるということから、地方選挙権は「許容」されえるのではないかということである/定住外国人地方参政権訴訟(平成7年2月28日最高裁判第三小法廷判決)/傍論/「このように、憲法九三条二項は、我が国に在留する外国人に対して地方公共団体における選挙の権利を保障したものとはいえないが、憲法第八章の地方自治に関する規定は、民主主義社会における地方自治の重要性に鑑み、住民の日常生活に密接な関連を有する公共的事務は、その地方の住民の意思に基づきその区域の地方公共団体が処理するという政治形態を憲法上の制度として保障しようとする趣旨に出たものと解されるから、我が国に在留する外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるものについて、その意思を日常生活に密接な関連を有する地方公共団体の公共的事務の処理に反映させるべく、法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではないと解するのが相当である。しかしながら、右のような措置を講ずるか否かは、専ら国の立法政策にかかわる事柄であって、このような措置を講じないからといって違憲の問題を生ずるものではない。 以上のように解すべきことは、当裁判所大法廷判決(前掲昭和三五年一二月一四日判決、最高裁昭和三七年(あ)第九〇〇号同三八年三月二七日判決・刑集一七巻二号一二一頁、最高裁昭和四九年(行ツ)第七五号同五一年四月一四日判決・民集三〇巻三号二二三頁、最高裁昭和五四年(行ツ)第六五号同五八年四月二七日判決・民集三七巻三号三四五頁)の趣旨に徴して明らかである。」/憲法93条2項 地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する/憲法94条 地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる/「命令」「禁止」「許容」/「交通法規」と「ゴミ出しの日」/われわれは、法律というと二者択一的なものと考えやすい/しかし、それは問題である/石を投げる者と 投げられる者には 容易に越えられぬ 柵がある 立ち位置が変われば 正義は牙を剥く 檻の中で吼えているのは 果たしてどちらか(「暁の鎮魂歌」)/とはいえ、いずれかに決まっていないと困る場合がある/その解決法/わが国は「国民主権」を採用しているのだから、その最終的な解決は国民の代表者から構成される、国会の具体的立法によってはかられることになる/民主制の問題点は、後で説明/定住外国人の地方参政権訴訟の行方/シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州の外国人参政権についてのドイツ連邦憲法裁判所の判決の評価/1989年にハンブルク(8年以上滞在する「全ての外国人」に対して、7つの行政区における選挙権)とシュレースヴィヒ=ホルシュタイン州(5年以上滞在するデンマーク人・スウェーデン人・ノルウェー人・アイルランド人・オランダ人に対する選挙権)が、それぞれ外国人に地方参政権を付与する法改正をなし、これが憲法訴訟に発展した。ドイツ連邦憲法裁判所は1990年10月にこの法改正を違憲とする判決を下す/「部分許容」説の主張者の長尾一紘先生がこの説を取り下げたとしても、理論的には十分成り立つと考えられるのでは/etc/




 13時から再開


第三時限目(13:00-14:30)

 日本国憲法の三大原理・原則/


 日本国憲法の三大原理/「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」/「国民主権」とは/外国語の学習の仕方/「直接民主制」と「間接民主制」/サザエさん/「平和主義」/「平和主義」とは/平和主義の説明/その歴史/判例/ゲーム理論/日本国憲法の三大原理に序列はあるのか/マックス・ヴェーバーの「価値相対主義」/「超兵器R1号」と「博士の異常な愛情」/「基本的人権」の尊重の説明は、明日以降に行う/   etc/16時50分から再開

第四時限目 明日のプログラムの予定と、質問コーナー




集中講義初日

2019年02月19日 12:00

2月19日(月曜日)


 中野雅紀です。今日から三日間、都合八時間分の「日本国憲法/現代人権論」の講義をおこなわなくてはなりません。参考までに、三日間配布するレジュメを下に貼っておきます。茨城大生あるいはその他の憲法に興味のある人の目安となってくれればさいわいです。


2018年度・冬季集中「日本国憲法/現代人権論」 第一日 プログラム 中野雅紀   


第一時限目(2/19 10:20-11:50) 

 ガイダンス

 

 自己紹介/なかの まさのり/伊藤博文と相葉雅紀/音と訓の一致/雅は訓で「まさ」、紀は訓で「のり」/したがって、訓で統一するなら「まさのり」/雅紀を音で統一するならば「がき」/一応、神主の流れを継ぐので「まさのり」が正解/「どきゅんネーム」あるいは「キラキラネーム」以外にも伝統的名前の付け方・読ませ方をしていない人が多い/教養の欠如/「三権分立」をどのように読むのか/「さんけんぶんりつ」なのか「さんけんぶんりゅう」なのか/構内に植わっている木を「立木」という/とすれば、後者の方が正しいのでは/清宮四郎の名著『権力分立制の研究』(有斐閣、1950年)/
 

 東京生まれの大阪育ち/生まれは/東京都中野区上高田/しかし、先祖は愛媛県出身/学部は中央大学法学部法律学科・慶應義塾大学文学部哲学系/大学院は中央大学大学院法学研究科・京都大学大学院法学研究科/専攻は国法学(Staatsrechtslehre)、とりわけドイツ国法学、日本法では憲法/この大学に赴任してからちょうど20年/これまで、中央大学、埼玉大学、千葉大学、芝浦工業大学、武蔵丘短期大学、東京農工大学、慶應義塾大学、常磐大学などで講義を担当/今年で、茨城大学に赴任して21年目に入ります/


 授業の進め方/テキスト-参考書/宍戸常寿編『18歳から考える人権 (〈18歳から〉シリーズ)』(法律文化社、2015年)・櫻井智章『判例で読む憲法』(北樹出版、2016年)/以上の二冊は、わたしの「法学概論」、「法と社会」ないし「憲法と社会生活」を履修していればすでに所持しているはず/資格試験・公務員試験を受験・合格したい人は単著で300頁越えの基本書をお勧めする/定評のある基本書としては芦部信喜/高橋和之補訂『憲法 第六版』(岩波書店、2015年)があげられるが、今年の三月に第七版が出版されるのでおすすめしない/わたしのおすすめは佐藤幸治『日本国憲法論 (法学叢書 7)』(成文堂、2011年)と大石眞『憲法講義Ⅰ・Ⅱ 第三版』(有斐閣、2014年)/その他、意外と知られていないが使えるものとしては長尾一紘『はじめて学ぶやさしい憲法―豊富な図解と身近な事例でわかりやすく解説 (公務員試験 16)』(実務教育出版、1997年)および櫻井智章『判例で読む憲法』(北樹出版、2016年)/読み物としては、樋口陽一『憲法 第三版』(創文社、2007年)/いずれにせよ、判例集で補足していかなければならない/最高裁判所ホームページ www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/search1 /なお、他の社会科科目の教科書はビジュアルに訴える資料集が多いが、法律学は伝統的に文字・言葉によって論述する傾向が強いので、そのような本は少ない/ここでは、初宿正典他編『目で見る憲法【第5版】』(有斐閣、2018年)をあげておく/


 成績評価/後期「日本国憲法/現代人権論」は少人数だったのでノート作成・提出で採点した/ただし、この集中講義に関しては人数が少ないが「日本国憲法」の授業はJABEE認定プログラム対象科目なので筆記試験を実施する/Japan Accreditation Board for Engineering Education/国家資格である技術士の第一次試験が免除/結構、わたしの担当科目は重要/持ち込みの可否/六法という名前の付いた書籍のみ/判例付き六法でも、解説付き六法でも可/時たま勘違いしている学生がいるがコメンタールは不可/表面は最低埋める/時たま、これで分量を満たさず、不合格になる学生がいる/試験までに三つの課題を与え、本試験でそのなかから二題出題、さらにその中から一題のみ選択解答/「です・ます」調ではなく、「ある」調に/ペン書き/消しゴムで消す必要はなし/森絵都『みかづき』の吾郎先生/棒線で消してくだされば結構/GPA/ Grade Point Average /米国の大学や高校などで一般的に使われており、留学の際など学力を測る指標となる。日本では、就職の足切り、あるいは大学院進学の際の足切りとされる/リアクション・ぺーパー/追試はなし/追試をする前提ならば、それに応じて試験出題の難易度が上がる/三種の神器/八咫鏡(やたのかがみ)/八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)/ 草那芸之大刀(くさなぎのたち)/「起承転結」/これについては、第二時限目 「起承転結」のしっかりした文章を書こうで再度詳述する/




 具体例/裁判の種類/判決と決定/「口頭弁論」と「書面審理」/「認容判決」「却下判決」「棄却判決」/三審制/三審制の問題点/被告人の第一審の敗訴の場合には、控訴できるのは権利/しかし、検察側が敗訴した場合、検察側が上訴(控訴・上告)をするのは問題/一事不再理・二重の危険の禁止/アメリカでは無罪判決に対する検察官上訴は禁止/ゲーム「逆転裁判3」の第2話「盗まれた逆転」で、星威岳哀牙は、倉院のツボ盗難事件の新犯人とされることにより、警備会社社長殺人事件の犯人としては裁判されないことをたくらんだ/その意味では、「逆転裁判」はアメリカ的な裁判進行をモデルにしている/しかし、実際のわが国の裁判は「逆転裁判」と違う/日本の最高裁は、「一審の手続も控訴審の手続もまた、上告審のそれも同じ事件においては、継続せる一つの危険の各部分たるにすぎない」(昭和33年1月23日最高裁判所第一小法廷)として合憲/しかし、これは問題である/高田事件(昭和47年12月20日最高裁大法廷判決)・白鳥事件(昭和50年5月20日最高裁判所第一小法廷判決)/このような上訴は、有罪になって刑に服すよりも、長期の裁判を課すこととなり、「疑わしきは被告人の利益に」の原則に反する/コナン君のいう「真実はいつもひとつ」は、誤りである/すなわち、現実の裁判に求められるのは、「実体的真実」の追及ではなく、「手続的真実」の追及である/反対に、無罪になった被告人が有罪にしてくれというのも、できない/人間は神ではないのだから、ましてや第三者の立場である裁判官や裁判員は、手続を通じて被告人の有罪や無罪を証拠や証言によって「真実」に迫るしかない。反対に、当事者の意を離れて「正義」は実現されなくてはならないとするのは、大問題であることを自覚しなければならない/そもそも、なぜ、検察審査制度があるのか/検察審査会制度は,検察官が被疑者を起訴しなかったことがよかったのかどうかを,20歳以上で選挙権を有する国民の中からくじで選ばれた11人の検察審査員が審査する制度です/https://www.courts.go.jp/kensin/q_a/q1/index.html/




 控訴と上告/違憲判決/法令違憲と適用違憲/理論上、国会が立法府である以上、その国会が作った法律そのものが違憲となることは原則ない/違憲審査制革命は原則第二次世界大戦後のできごと/わが国における法令違憲判決/ 尊属殺人重罰規定(昭和48年4月4日大法廷判決)/薬事法距離制限規定(昭和50年4月30日大法廷 判決)/ 衆議院議員定数配分規定(昭和51年4月14日大法廷判決)/衆議院議員定数配分規定(昭和60年7月17日大法廷判決)/ 森林法共有林分割制限規定(昭和62年4月22日大法廷判決)/郵便法免責規定(平成14年9月11日大法廷判決)/在外邦人選挙権制限(平成17年9月14日大法廷判決)/非嫡出子国籍取得制限(平成20年6月4日大法廷判決)/非嫡出子法定相続分規定(平成27年12月16日大法廷判決)/女性の再婚禁止期間(平成27年12月16日大法廷判決)/判例の見方/日本は判例国ではない/着眼点/大法廷判決と小法廷判決/アメリカはMarbury v. Madison, 5 U.S. 137(1803))とかLemon v. Kurtzman, 403 U.S. 602とかかっこいい名前/巨人対阪神/日本ではそうではない/たとえば、正式には尊属殺重罰規定違憲判決の名前は「昭和45(あ)1310  昭和48年4月4日最高裁判所大法廷判決刑集第27巻3号265頁 」/下級裁判所にも違憲立法審査権はあるのか/ある/なぜならば、憲法76条の「司法」Bと81条の「違憲立法審査」Aの関係は、集合でいうところのA⊂B/第76条 すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される/第81条 最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である/ すなわち、違憲立法審査は最高裁判所および下級裁判所の民事・刑事・行政事件を通じて付随的におこなわれる/具体的争訟性/原告適格/不平不満ではダメ/

ムートネスの法理/etc/


 13時00分から再開


第二時限目(13:00-14:30) 

 「起承転結」のしっかりした文章を書こう

 

「起承転結」とは/ばかな先輩の話/章立てをしっかりしよう/「起」とは/「承」とは/「転」とは/「結」とは/ヘーゲルの弁証法/テーゼ/アンチ・テーゼ/ジン・テーゼ/トーマス・クーンのパラダイム・シフト/コペルニクスはなぜ、偉大か/わかりきったことを主張しても、それは用語説明でしかない/具体的判例を見てみよう/平成12年 4月25日最高裁判決(地方参政権)/「命令」「禁止」「容認」/「交通法規」/etc/15時から再開


第三時限目 日本国憲法の三大原理・原則


 日本国憲法の三大原理/「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」/「国民主権」とは/外国語の学習の仕方/「直接民主制」と「間接民主制」/サザエさん/「平和主義」/「平和主義」とは/平和主義の説明/その歴史/判例/ゲーム理論/日本国憲法の三大原理に序列はあるのか/マックス・ヴェーバーの「価値相対主義」/「超兵器R1号」と「博士の異常な愛情」/「基本的人権」の尊重の説明は、明日以降に行う/   etc/


13時から再開


第四時限目 明日のプログラムの予定と、質問コーナー

 

 あさっての進行予定/質問コーナー/予習より復習/まず、今日はこれから二時間復習すること/リアクションペーパー作成









停電

2019年02月18日 12:03

2月18日(月曜日)





日曜日

2019年02月17日 12:09

2月17日(日曜日)




土曜日

2019年02月16日 12:23

2月16日(土曜日)




一応、給料日です

2019年02月15日 12:01

2月15日(金曜日)





ヴァレンタインデー

2019年02月14日 12:03

2月14日(木曜日)


 中野雅紀です。たまたま、インターネット・サーフィンをしていると、以下のような北澤香織先生のブログ記事を発見。バレンタインと恩師の関係が書かれていたので以下に引用させてもらうこととする。


   2015年2月16日
    バレンタイン、でしたね。

 ブログもすっかりご無沙汰してしいるうちに、1月はあっという間に過ぎ、すでに2月も後半、バレンタインデーも終わってしまいました。
 今年は、お友達にはチョコレートを贈ったりしましたが、男性陣には義理も本命チョコもなし
まことに愛想なしでスミマセン。
 しかし、毎年、(大本命のはずの)夫には大好物のスコッチなどを贈ったりしていましたが、今年はそれもサボってしまい、「せめてマッカラン18年を!」とのリクエストが来る始末です。
 それに対して、「12年でいいよね?」あるいは、「朝ドラの『マッサン』にちなんで、竹鶴ではダメ?」と、一応、仕事柄、反論を試みるのでした・・・(結局、まだ何も贈っていないので、そのうち忘れることでしょう・・・笑)。

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 なので、ネタとしてはさっぱりなんですが、バレンタインで思い出したことが一つ。
 私は、法学部に入る前、女子大の国文科に通っていたのですが、そこはもともと女子高等師範学校で、学校の先生を育成する大学。
 そのせいか、法学部や経済学部等、いわゆる社会科学系の学部がありませんでした。
 でも1、2年生のときは、一般教養科目で、憲法、等もあったのです。
 そのときに憲法の講義に来ていらしたのが、中央大学の学長も務められた川添利幸先生でした。
 女子大とはいえ、教授陣は圧倒的に男性が多く(わが国文学科も7名の教授のうち6名が男性でした)、特に男性の教授は珍しくもないのですが、やはり、文学系の教授と、法学などの教授というのは、持っている雰囲気が違うのですね。
 そういうこともあってか、川添教授は非常に女子学生に人気があり、一般教養の大教室もかなり盛況だった覚えがあります。
 試験のときに「コンパクト六法の持ち込みOK」などというのも、文学部系の学生には非常に新鮮でした(ただし、ただでさえコンパクトなその六法に、さらに小さい字でいろいろと書き込みをして試験に臨んだのは、もうとっくに時効・・・ですよね)
 そして、後期試験の憲法も、試験が行われました。
 ここは、実は記憶があいまいで、バレンタインデーの当日が試験だったのか、授業だったのか、覚えていないのですが、日程的にたぶん試験だったはず。
 川添教授ファンの私は、他の友達と示し合わせて、教授に贈るチョコレートをしっかり準備して、授業だか試験だかが終わったタイミングで、先生のもとにチョコレートを渡しに行こうとしました。
 しかし、さすがに人気の教授だけあって、私たち以外にもかなりの人数がチョコレートを持って教壇の方へ歩き始めます。
 自分にチョコレートを贈ろうとする学生たちに気づいた教授、すかさず、しかし非常に恥ずかしそうに、
「あの・・、試験には、本当に全然関係ないのですが、いただいた人をちゃんと知りたいので、『チョコレートを渡しました。』」と、一言書いておいてください。」
とおっしゃったのです。
 一言書いて、と言われたのが答案用紙にだったのか、他の提出物だったのか、覚えていませんが、その教授のリアクションが、私たち女子学生たちの人気をさらに高めたのでした
 まさか、その後、自分が六法と首っ引きで必死で法律の勉強をすることになるなんて思いもしなかった、そんな頃の思い出です。
 私もチョコレートいくつかいただきました。いただくチョコレートはどれも美味しいです♪

                                                           カテゴリー:日々の雑記







誕生日おめでとう

2019年02月13日 12:08

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