日本国憲法/現代人権論レジュメ 第二時限目

2019年04月03日 11:48

2018年度・冬季集中「日本国憲法/現代人権論」 第二日 プログラム 中野雅紀   


 第一時限目(2/19 10:20-11:50)  

 「起承転結」のしっかりした文章を書こう

 

 前日書いてもらったリアクションペーパーに対する再リアクションを行ってから講義をおこなう/落語でいうところの「枕」/大教室で寒いとの要望があったが、空き教室が見つからないので一期の集中講義はこのまま「共通10号」教室で我慢してもらって、来週の二期から適切なキャパの教室に変更することを確認する/先日のみんなとの取り決め通り、一期と二期の試験を分けずに、二期の最終日に一括して筆記試験をおこなう/期日は3/1の五時限目/


 「起承転結」とは/そもそもは、漢詩の構成・用語に由来/では、論文作成とは無関係ではないか/そうではない/本来の意味から転じて、文章やストーリーを4つに分けたときの構成、または各部の呼称としても使われる←ここでは、こちらの意味/毎回、試験を実施すると/ばかな先輩の話/毎回、試験を実施すると「一」「二」「三」「四」の部分に「起」「承」「転」「結」と書く、あたまのお弱い人がいる/それともわたしを馬鹿にしているのか/そもそも、そのような表記の著作・論文を見たことがあるのか/笑うことなかれ、先月の「法学概論」の試験において君たちの後輩でも1名いた/


 すなわち、ここでわたしが言わんとすることは、論文を書くにあたって最低限、三章構成の論文を書けということである/たとえば、庵野秀明によれば「序」「破」「Q」/「シン・エヴァンゲリオン劇場版:''」2020年公開にネット騒然! 13年越し完結/今日の配布した資料・三田紀房「ドラゴン桜2」の太宰府先生の解説によれば、「序論」「本論」「結論」である/とにかく、章立てをしっかりと/そうすることによって、はじめてメリハリのある文章が書けるようになる/このことは、きみたちも参加した2月10日の卒業論文発表会、つまり卒論の作製にも応用可能である/まだまだ、先だと思っているかもしれないが、二年などはあっという間に過ぎる/きみたちの身近な問題/


 「起」とは/「承」とは/「転」とは/「結」とは/ここで重要なのは、「起」の部分である/「起」の部分で、問題の定義を書く学生がいるが、それはばかである/太宰府先生も説明するように、「起」は「序論」であり、「問題」提起である。すなわち、わたしたち出題者が出題した答案の問題の何を問題にするのかをまず説明する/そして、順番は最後になるが「結」で、その自分が問題にしたことがらに対する「私見」を示す/「ドラゴン桜」の芥山先生によれば、問題を読んで、自らが出題者と対話することが重要である/学部時代、わたしは四年時には刑法ゼミに属していた/ゼミにおいて、下村康正先生は「答案とはラブレターである」と言ったが、この言は芥山の指摘と同じものだろう/単純化すれば、この「起」と「結」がしっかり書けていれば、その答案はそれだけで及第点である/ただ、私見の示すとしても、それなりの理由や論理が必要である/なぜならば、自分の争っている判決が裁判官や裁判員によって「直観」や「フィーリング」によって下されたとすれば、きみたちはそれに納得することができるのか/おそらく、納得はできない/そこで、それを論理的に説得できるような説明としての「承」や「転」の記述が中間に入る/「納得」と「説得」/




 ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル(Georg Wilhelm Friedrich Hegel, 1770年8月27日 - 1831年11月14日)の弁証法/テーゼ/アンチ・テーゼ/ジン・テーゼ/トーマス・サミュエル・クーン(Thomas Samuel Kuhn、1922年7月18日 - 1996年6月17日)のパラダイム・シフト/本当に、人類は右肩上がりに発展していくのか/ガンダムの「ニュータイプ」か/ニコラウス・コペルニクス( NicolausCopernicus、1473年2月19日 - 1543年5月24日)はなぜ、偉大か/わかりきったことを主張しても、それは用語説明でしかない/おそらく、きみたちがものすごいことを発見したと思っても、そんなことは3000年前の異国の哲学者によって議論されているであろう/したがつて、考えることは必要だが、一定程度の知識の詰込みは必要である/ゆとり世代/このように、これまでにどのような考え方があったのか、どのような議論の対決があったのかを踏まえたうえで議論を展開することが必要/そのために、ザックリでいいからテーゼ、アンチ・テーゼの言わんとしていることを理解する/覚えるのが面倒だという人がいるが、どちらかの見解を正確に理解していれば、反対の見解は容易に捻りだすことが可能/なぜならば、人間は「ひねくれ者」だから/一方で、AさんとBさんが言い争っていると、大抵の場合、「Aさんの言っていることも正しいし、Bさんの言っていることも正しい。したがって、お互いの良いところを足して2で割ったところでどうですか」と言うCさんが現れることが多い/このように、議論というものは人間の「ひねくれ者」の性格と、反面、両者を宥めようとする、ある意味ではお節介である、「調停者」の性格を反映している/裁判もまたそれを反映したもの/




 具体的判例を見てみよう/ここでは、議論の分かれる定住外国人の選挙権問題について検討する/ここでの問題は、人権の享有主体の問題である/Article 11. The people shall not be prevented from enjoying any of the fundamental human rights. These fundamental human rights guaranteed to the people by this Constitution shall be conferred upon the people of this and future generations as eternal and inviolate rights./この例文を参考に、「わたしたちは、基本的人権を有している」と和文を英文に翻訳してみよう/とりわけ、問題になるのは、国民主権の原理から国政選挙権は定住外国人に認められないことは当然としても、定住外国人もまた「住民」であるということから、地方選挙権は「許容」されえるのではないかということである/定住外国人地方参政権訴訟(平成7年2月28日最高裁判第三小法廷判決)/傍論/「このように、憲法九三条二項は、我が国に在留する外国人に対して地方公共団体における選挙の権利を保障したものとはいえないが、憲法第八章の地方自治に関する規定は、民主主義社会における地方自治の重要性に鑑み、住民の日常生活に密接な関連を有する公共的事務は、その地方の住民の意思に基づきその区域の地方公共団体が処理するという政治形態を憲法上の制度として保障しようとする趣旨に出たものと解されるから、我が国に在留する外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるものについて、その意思を日常生活に密接な関連を有する地方公共団体の公共的事務の処理に反映させるべく、法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではないと解するのが相当である。しかしながら、右のような措置を講ずるか否かは、専ら国の立法政策にかかわる事柄であって、このような措置を講じないからといって違憲の問題を生ずるものではない。 以上のように解すべきことは、当裁判所大法廷判決(前掲昭和三五年一二月一四日判決、最高裁昭和三七年(あ)第九〇〇号同三八年三月二七日判決・刑集一七巻二号一二一頁、最高裁昭和四九年(行ツ)第七五号同五一年四月一四日判決・民集三〇巻三号二二三頁、最高裁昭和五四年(行ツ)第六五号同五八年四月二七日判決・民集三七巻三号三四五頁)の趣旨に徴して明らかである。」/憲法93条2項 地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する/憲法94条 地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる/「命令」「禁止」「許容」/「交通法規」と「ゴミ出しの日」/われわれは、法律というと二者択一的なものと考えやすい/しかし、それは問題である/石を投げる者と 投げられる者には 容易に越えられぬ 柵がある 立ち位置が変われば 正義は牙を剥く 檻の中で吼えているのは 果たしてどちらか(「暁の鎮魂歌」)/とはいえ、いずれかに決まっていないと困る場合がある/その解決法/わが国は「国民主権」を採用しているのだから、その最終的な解決は国民の代表者から構成される、国会の具体的立法によってはかられることになる/民主制の問題点は、後で説明/定住外国人の地方参政権訴訟の行方/シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州の外国人参政権についてのドイツ連邦憲法裁判所の判決の評価/1989年にハンブルク(8年以上滞在する「全ての外国人」に対して、7つの行政区における選挙権)とシュレースヴィヒ=ホルシュタイン州(5年以上滞在するデンマーク人・スウェーデン人・ノルウェー人・アイルランド人・オランダ人に対する選挙権)が、それぞれ外国人に地方参政権を付与する法改正をなし、これが憲法訴訟に発展した。ドイツ連邦憲法裁判所は1990年10月にこの法改正を違憲とする判決を下す/「部分許容」説の主張者の長尾一紘先生がこの説を取り下げたとしても、理論的には十分成り立つと考えられるのでは/etc/




 13時から再開


第三時限目(13:00-14:30)

 日本国憲法の三大原理・原則/


 日本国憲法の三大原理/「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」/「国民主権」とは/外国語の学習の仕方/「直接民主制」と「間接民主制」/サザエさん/「平和主義」/「平和主義」とは/平和主義の説明/その歴史/判例/ゲーム理論/日本国憲法の三大原理に序列はあるのか/マックス・ヴェーバーの「価値相対主義」/「超兵器R1号」と「博士の異常な愛情」/「基本的人権」の尊重の説明は、明日以降に行う/   etc/16時50分から再開

第四時限目 明日のプログラムの予定と、質問コーナー